医療用医薬品 : オジェンダ

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医薬品情報


総称名 オジェンダ
一般名 トボラフェニブ
欧文一般名 Tovorafenib
製剤名 トボラフェニブ製剤
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤
BRAF阻害剤
薬効分類番号 4291
KEGG DRUG
D12291 トボラフェニブ
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
医薬品情報の概要は KEGG DRUG ページをご覧ください。

添付文書情報2026年9月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
オジェンダ錠100mg Ojemda Tablets 100mg IPSEN 42910K0F1027 劇薬, 処方箋医薬品
オジェンダドライシロップ300mg Ojemda Dry syrup 300mg IPSEN 42910K0R1023 劇薬, 処方箋医薬品

1. 警告

1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する低悪性度神経膠腫

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の年齢、病理組織型、前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。特に、化学療法歴のない患者への投与については、他の治療の実施についても慎重に検討すること。[17.1.1参照]
5.3 生後6ヵ月未満の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7、17.1.1参照]

6. 用法及び用量

オジェンダ錠100mg
<錠>
通常、トボラフェニブとして以下の用量を週1回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
体表面積1回投与量
0.90m2以上1.12m2以下400mg
1.13m2以上1.39m2以下500mg
1.40m2以上600mg
オジェンダドライシロップ300mg
<ドライシロップ>
通常、トボラフェニブとして以下の用量を週1回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
体表面積1回投与量
0.30m2以上0.35m2以下125mg
0.36m2以上0.42m2以下150mg
0.43m2以上0.48m2以下175mg
0.49m2以上0.54m2以下200mg
0.55m2以上0.63m2以下225mg
0.64m2以上0.77m2以下275mg
0.78m2以上0.83m2以下300mg
0.84m2以上0.89m2以下350mg
0.90m2以上1.05m2以下375mg
1.06m2以上1.25m2以下450mg
1.26m2以上1.39m2以下525mg
1.40m2以上600mg

7. 用法及び用量に関連する注意

オジェンダ錠100mg
7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。
休薬、減量及び中止基準
副作用程度※処置
出血・忍容できないGrade 2
・Grade 3
回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。
Grade 4(初回発現)回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。改善しない場合は投与中止を考慮する。
Grade 4(再発)投与を中止する。
皮膚障害・忍容できないGrade 2
・Grade 3又は4
回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。改善しない場合は投与中止を考慮する。
光線過敏症・忍容できないGrade 2
・Grade 3又は4
回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。改善しない場合は投与中止を考慮する。
その他の副作用・忍容できないGrade 2
・Grade 3
回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。
Grade 4回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。改善しない場合は投与中止を考慮する。
用量調節の目安(錠剤)
体表面積通常投与量1段階減量2段階減量3段階減量
0.90m2以上
1.12m2以下
400mgドライシロップ剤を投与※ドライシロップ剤を投与※投与中止
1.13m2以上
1.39m2以下
500mg400mgドライシロップ剤を投与※投与中止
1.40m2以上600mg500mg400mg投与中止
オジェンダドライシロップ300mg
7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。
休薬、減量及び中止基準
副作用程度※処置
出血・忍容できないGrade 2
・Grade 3
回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。
Grade 4(初回発現)回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。改善しない場合は投与中止を考慮する。
Grade 4(再発)投与を中止する。
皮膚障害・忍容できないGrade 2
・Grade 3又は4
回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。改善しない場合は投与中止を考慮する。
光線過敏症・忍容できないGrade 2
・Grade 3又は4
回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。改善しない場合は投与中止を考慮する。
その他の副作用・忍容できないGrade 2
・Grade 3
回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。
Grade 4回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。改善しない場合は投与中止を考慮する。
用量調節の目安(ドライシロップ剤)
体表面積通常投与量1段階減量2段階減量3段階減量
0.30m2以上
0.35m2以下
125mg100mg75mg投与中止
0.36m2以上
0.42m2以下
150mg125mg100mg投与中止
0.43m2以上
0.48m2以下
175mg150mg125mg投与中止
0.49m2以上
0.54m2以下
200mg175mg150mg投与中止
0.55m2以上
0.63m2以下
225mg200mg150mg投与中止
0.64m2以上
0.77m2以下
275mg225mg200mg投与中止
0.78m2以上
0.83m2以下
300mg250mg200mg投与中止
0.84m2以上
0.89m2以下
350mg300mg250mg投与中止
0.90m2以上
1.05m2以下
375mg325mg275mg投与中止
1.06m2以上
1.25m2以下
450mg375mg325mg投与中止
1.26m2以上
1.39m2以下
525mg450mg375mg投与中止
1.40m2以上600mg500mg400mg投与中止

8. 重要な基本的注意

8.1 貧血があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分観察すること。[11.1.3参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 NF1と診断された又は疑いがある患者
臨床試験ではNF1と診断された又は疑いがある患者は除外された。[15.2.3、17.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度又は重度の肝機能障害患者
本剤は主に肝代謝により消失するため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度注1) 又は重度注2) の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.3参照]
注1)AST値を問わず総ビリルビン値が施設基準値上限の1.5〜3倍
注2)AST値を問わず総ビリルビン値が施設基準値上限の3倍超
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後28日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法をあわせて使用すること。[9.5、10.2参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後2週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)では臨床曝露量(AUC)の約0.8〜1.2倍に相当する用量で全胚吸収が認められ、正常な胎児発育は認められていない。[9.4.1、9.4.2、9.6、15.2.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤のヒトの乳汁中への移行は不明であるが、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5参照]
9.7 小児等
生後6ヵ月未満の乳児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。[5.3参照]

10. 相互作用

相互作用序文
本剤はCYP2C8の基質である。また、本剤はCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3Aに対する誘導作用並びにBCRPに対する阻害作用を示す。[16.4参照]
薬物代謝酵素用語
CYP2C8
薬物代謝酵素用語
CYP1A2
薬物代謝酵素用語
CYP2B6
薬物代謝酵素用語
CYP2C9
薬物代謝酵素用語
CYP2C19
薬物代謝酵素用語
CYP3A
薬物代謝酵素用語
BCRP
10.2 併用注意
強いCYP2C8阻害剤
クロピドグレル硫酸塩等
[16.7.1参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP2C8阻害作用のない薬剤又は中程度以下のCYP2C8阻害剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に注意すること。これらの薬剤がCYP2C8を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
強い又は中程度のCYP2C8誘導剤
リファンピシン、カルバマゼピン等
[16.7.2参照]
本剤の効果が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP2C8誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤がCYP2C8を誘導することにより、本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP1A2の基質となる薬剤
カフェイン、テオフィリン、チザニジン塩酸塩等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。本剤がCYP1A2を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2B6の基質となる薬剤
シクロホスファミド水和物、エファビレンツ、メサドン塩酸塩等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。本剤がCYP2B6を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C8の基質となる薬剤
ピオグリタゾン塩酸塩、レパグリニド、パクリタキセル等
[16.7.4参照]
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。本剤がCYP2C8を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C9の基質となる薬剤
ワルファリンカリウム、フェニトイン、ジクロフェナクナトリウム、セレコキシブ等
[16.7.4参照]
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。本剤がCYP2C9を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C19の基質となる薬剤
オメプラゾールナトリウム、ジアゼパム、クロピドグレル硫酸塩等
[16.7.4参照]
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。本剤がCYP2C19を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム
経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等)
デキサメタゾン等
[9.4.1、16.7.3参照]
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
アトルバスタチンカルシウム水和物、シンバスタチン、サラゾスルファピリジン等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨成長の遅延(7%)
11.1.2 重度の皮膚障害
斑状丘疹状皮疹(0.7%)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
11.1.3 貧血(0.7%)[8.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 30%以上10%〜30%未満10%未満
皮膚および皮下組織障害発疹(56.9%)(湿疹、紅斑性皮疹、丘疹性皮疹、膿疱性皮疹、皮膚炎、薬疹、皮膚剥脱、水疱性皮膚炎、毛孔性皮疹、斑状皮疹、そう痒性皮疹、多形紅斑、小水疱性皮疹を含む。)、毛髪変色(77.4%)、皮膚乾燥(47.4%)(口唇のひび割れ、口唇乾燥、乾皮症を含む。)、ざ瘡様皮膚炎(ざ瘡を含む。)皮膚変色(皮膚色素脱失、皮膚色素沈着過剰、皮膚色素減少、メラノサイト性母斑、雀卵斑を含む。)、そう痒症、脱毛症、光線過敏性反応 
一般・全身障害および投与部位の状態疲労(60.6%)、発熱(46.7%)、浮腫(顔面浮腫、眼窩周囲浮腫、末梢性浮腫、末梢腫脹、口唇浮腫、顔面腫脹、眼部腫脹、外陰浮腫を含む。)  
感染症および寄生虫症上気道感染爪囲炎 
胃腸障害嘔吐(56.2%)、悪心、便秘下痢(腸炎を含む。)、口内炎(口唇炎、口角口唇炎、アフタ性潰瘍、口腔内潰瘍形成、口唇潰瘍を含む。)、腹痛(上腹部痛を含む。) 
神経系障害頭痛(52.6%)  
血管障害出血(47.4%)(鼻出血、腫瘍出血、挫傷、歯肉出血、血腫、頭蓋内腫瘍出血、点状出血、胃腸出血、吐血、血便排泄、下部消化管出血、紫斑、硬膜下出血、膣出血を含む。)潮紅 
筋骨格系および結合組織障害 四肢痛、筋肉痛、関節痛 
代謝および栄養障害 食欲減退 
心臓障害  心室性不整脈
臨床検査CPK増加(62.0%)、AST増加、LDH増加、血中リン減少(55.5%)(低リン血症(52.6%)を含む。)体重減少、ALT増加、リンパ球数減少、血中ビリルビン増加好酸球数増加

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
<錠剤>
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
<ドライシロップ>
14.1.2 本剤を交付する際には、患者用説明文書を渡し、本剤の調製方法、用量及び投与方法を患者、その保護者又はそれに代わる者に対し説明すること。
14.2 薬剤調製時の注意
<ドライシロップ>
14.2.1 溶解方法
(1)ボトル1本あたり室温の水14mLを正確に加え、本剤を懸濁し、懸濁液を調製すること。懸濁後、各ボトルの懸濁液は12mL中に本剤300mg(25mg/mL)を含有する。
(2)12mL(300mg)を超える用量の場合は、2本のボトルを用いて推奨用量を調製すること。用量を2本のボトルにできるだけ均等に分割すること。1本目のボトルを調製し投与した後に、2本目のボトルを調製すること。
14.3 薬剤投与時の注意
<ドライシロップ>
14.3.1 懸濁液は、同梱の経口投与用シリンジを用いて、経口又は経管にて、調製後直ちに投与すること。
14.3.2 調製後15分以内に投与されない場合は、廃棄するよう患者、その保護者又はそれに代わる適切な者に対し指導すること。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 雌ラットを用いた受胎能及び初期胚発生に関する試験において、臨床曝露量(AUC)の約0.8倍に相当する用量で、妊娠数、黄体数及び生存胚数の減少、並びに着床後胚死亡率の増加が認められた。[9.5参照]
15.2.2 ラットを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量(AUC)の約0.3〜0.4倍に相当する用量で、雌ラットでは膣粘膜肥厚、出血黄体増加、嚢胞状卵胞、黄体数減少、卵巣間質細胞過形成、雄ラットでは精巣上体及び精巣重量の減少、精細管変性又は萎縮、精巣上体内腔精子数減少等が認められた。
15.2.3 トボラフェニブは、BRAF遺伝子異常を有さず、シュワン細胞特異的なNF1遺伝子変異により叢状神経線維腫の形成が認められるトランスジェニックマウス等において、腫瘍増殖抑制作用を示さなかった。[9.1.1参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
母集団薬物動態解析の結果、本剤380mg/m2を1週間間隔で反復経口投与したときの定常状態における最高血漿中濃度(Cmax)は6.9μg/mL(変動係数23%)、血中濃度−時間曲線下面積(AUC)は508μg・h/mL(変動係数31%)、定常状態到達時間は12日(変動係数33%)と推定された1)(外国人データ)。固形腫瘍患者125例において、本剤20〜280mg注)を2日に1回経口投与又は本剤400〜800mg注)を1週間間隔で経口投与したとき、トボラフェニブの曝露量は用量に比例して増加した2)(外国人データ)。
16.2 吸収
健康成人8例に本剤の錠剤又はドライシロップ剤300mg注)を空腹時に単回経口投与したとき、錠剤及びドライシロップ剤の最高血漿中濃度到達時間(tmax)の中央値(最小値、最大値)は、それぞれ3時間(3時間、3時間)及び3時間(1.5時間、4時間)であった3)(外国人データ)。
16.2.1 食事の影響
健康成人8例に本剤の錠剤300mg注)を単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食摂取後投与におけるトボラフェニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比はそれぞれ0.829及び1.07であった。また、食後のtmaxは6.5時間であった3)(外国人データ)。
16.2.2 相対的バイオアベイラビリティ
健康成人8例に、本剤300mg注)を単回経口投与したとき、錠剤投与に対するドライシロップ剤投与におけるトボラフェニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.964及び1.18であった3)(外国人データ)。
16.3 分布
母集団薬物動態解析の結果、見かけの分布容積は60L/m2(変動係数23%)と推定された(外国人データ)。トボラフェニブのヒト血漿タンパク結合率は97.5%であった4)(in vitro試験)。
16.4 代謝
トボラフェニブは主にアルデヒドオキシダーゼ及びCYP2C8により代謝され、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3Aも一部関与する5)(in vitro試験)。健康成人7例に放射標識した本剤の液剤100mg注)を単回経口投与したとき、血漿中放射能の84.2%が未変化体であった6)(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
母集団薬物動態解析の結果、本剤の終末相半減期は約56時間(変動係数33%)、見かけのクリアランスは0.7L/h/m2(変動係数31%)と推定された1)(外国人データ)。健康成人7例に放射標識した本剤の液剤100mg注)を単回経口投与したとき、投与480時間後までの放射能の尿中及び糞中排泄率はそれぞれ約29%及び約66%であった。未変化体の尿中及び糞中排泄率は、それぞれ0.15%及び8.6%であった6)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児
母集団薬物動態解析の結果、18歳未満の患者に本剤380mg/m2(最大600mg)を1週間間隔で反復経口投与したときの定常状態における曝露量は、成人患者に同じ用法・用量で本剤を投与したときの曝露量と同程度であると推定された1)(外国人データ)。
16.6.2 腎機能障害患者
母集団薬物動態解析の結果、軽度(eGFRが60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満)及び中等度(eGFR 30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害患者において、トボラフェニブの薬物動態に大きな影響は認められなかった7)(外国人データ)。
16.6.3 肝機能障害患者
母集団薬物動態解析の結果、軽度の肝機能障害患者(ビリルビンが施設基準値上限以下かつASTが施設基準値超、又はAST値を問わず総ビリルビン値が施設基準値上限の1〜1.5倍)において、トボラフェニブの薬物動態に大きな影響は認められなかった8)(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ゲムフィブロジル
健康成人に本剤100mg注)を第1及び18日目に単回投与し、ゲムフィブロジル(強いCYP2C8阻害剤、国内未承認)600mgを第15〜30日目に1日2回投与したとき、本剤単独投与時に対するゲムフィブロジル併用投与時におけるトボラフェニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.98及び1.23であった9)(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 カルバマゼピン
健康成人に本剤100mg注)を第1及び27日目に単回投与し、カルバマゼピン(中程度のCYP2C8誘導剤)100mgを第13〜15日目に、200mgを第16〜19日目に、300mgを第20〜38日目に1日2回投与したとき、本剤単独投与時に対するカルバマゼピン併用投与時におけるトボラフェニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.89及び0.66であった9)(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション
(1)ブプロピオン、カフェイン、ミダゾラム
本剤600mgを週1回投与及びブプロピオン(CYP2B6基質)、カフェイン(CYP1A2基質)又はミダゾラム(CYP3A基質)と併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用投与時にブプロピオン、カフェイン又はミダゾラムの曝露量が低下する可能性が示唆された10)。[10.2参照]
(2)ロスバスタチン
本剤600mgを週1回投与及びロスバスタチン(BCRP基質)と併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用投与時にロスバスタチンの曝露量が増加する可能性が示唆された10)。[10.2参照]
16.7.4 in vitro試験
トボラフェニブはCYP2C8、CYP2C9及びCYP2C19を誘導した11)。[10.2参照]
16.7.5 その他
トボラフェニブはCYP3Aを阻害した12)(in vitro試験)。
注)トボラフェニブの承認用法・用量は体表面積に応じて380mg/m2を1週間に1回投与(最大用量:600mg)である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第II相試験(FIREFLY-1試験)(NCT04775485)
化学療法歴のある注1)6ヵ月以上25歳以下の活性化RAF遺伝子異常を有する低悪性度神経膠腫注2)患者注3)を対象とした多施設共同非盲検単群試験を実施した13)。用法・用量は、本剤を体表面積に応じて約420mg/m2注4)を週1回経口投与とされた注5)。Arm1には77例(1〜21歳)が組み入れられ、主要評価項目であるResponse Assessment in Neuro-Oncology-High Grade Glioma(RANO-HGG)基準(2010)に基づく独立放射線検査評価委員会(IRC)判定による奏効率注6)[95%CI]の主要解析(2022年12月22日データカットオフ)の結果は62.3%[49.8, 73.7](43/69例)、長期追跡を行った時点での解析(2024年5月10日データカットオフ)の結果は71.0%[58.8, 81.3](49/69例)であった。
副次又は探索的評価項目であるResponse Assessment in Pediatric Neuro-Oncology-Low Grade Glioma(RAPNO-LGG)基準(2020)及びResponse Assessment in Neuro-Oncology-Low Grade Glioma(RANO-LGG)基準(2011)に基づくIRC判定による奏効率注7)の長期追跡を行った時点での解析(2024年5月10日データカットオフ)の結果は、それぞれ52.6%[40.8, 64.2](40/76例)及び53.9%[42.1, 65.5](41/76例)であった。
注1)1レジメン以上の化学療法歴のある患者が対象とされた。
注2)WHO脳腫瘍分類(改訂2016年)に基づきGradeI又はIIの神経膠腫と診断された患者が対象とされた。なお、Arm1に組み入れられた患者の組織型は、星細胞系腫瘍65例及び混合性神経細胞系腫瘍4例であった。
注3)Arm1ではBRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する患者(KIAA1549-BRAF融合遺伝子、BRAF再配列若しくはタンデム重複、BRAF V600変異、又は特定の上流パートナーを有するBRAF融合遺伝子が認められた患者)が対象とされた。また、その他の活性化分子異常(ヒストン変異、IDH1/2遺伝子変異、FGFR遺伝子変異又は融合、MYBL遺伝子異常、NF1遺伝子の体細胞変異又は生殖細胞系列の変異)が既知又は予測される患者及びNF1/NF2の診断が既知である又は疑いがある患者は除外された。Arm2では活性化RAF遺伝子異常を有する患者が対象とされた。
注4)最大用量は600mgを超えないこととした。なお、本剤の承認用量は380mg/m2である。
注5)28日間を1サイクルとして26サイクルの本剤投与終了後、治験担当医師の判断により本剤の投与継続又は休薬を選択することが可能とされた。
注6)CR又はPR
注7)CR、PR又はMR
有害事象は137/137例(100%)に認められた。主な有害事象は、毛髪変色77.4%(106/137例)、CPK増加62.0%(85/137例)、疲労60.6%(83/137例)、貧血60.6%(83/137例)、嘔吐56.2%(77/137例)、頭痛52.6%(72/137例)、低リン酸血症52.6%(72/137例)、斑状丘疹状発疹50.4%(69/137例)、発熱46.7%(64/137例)、成長遅延43.1%(59/137例)、皮膚乾燥40.9%(56/137例)、AST増加38.0%(52/137例)、LDH増加38.0%(52/137例)、悪心37.2%(51/137例)、便秘36.5%(50/137例)、上気道感染35.8%(49/137例)、ざ瘡様皮膚炎34.3%(47/137例)、鼻出血32.1%(44/137例)、食欲減退29.9%(41/137例)及び爪囲炎29.9%(41/137例)であった(外国人データ)。[5.2、5.3、9.1.1参照]

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
トボラフェニブは、BRAFのキナーゼドメインにおけるATP結合部位及びアロステリック部位に結合し、変異型BRAF(V600E等)のキナーゼ活性を阻害することで、BRAFの下流のERK等のリン酸化を阻害し、BRAF遺伝子変異又はBRAF融合遺伝子を有する腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられる14)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. トボラフェニブ

一般的名称 トボラフェニブ
一般的名称(欧名) Tovorafenib
化学名 6-Amino-5-chloro-N-[(1R)-1-(5-{[5-chloro-4-(trifluoromethyl)pyridin-2-yl]carbamoyl}-1,3-thiazol-2-yl)ethyl]pyrimidine-4-carboxamide
分子式 C17H12Cl2F3N7O2S
分子量 506.29
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末
理化学知見その他 19.1 トボラフェニブ
KEGG DRUG D12291

21. 承認条件

21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
21.2 本邦において、承認用法・用量における薬物動態試験を実施し、結果が得られ次第、試験成績及び解析結果を提出するとともに医療現場に適切に情報提供すること。また、当該試験の結果が得られるまでの間は、適切な安全性確保の体制が整備された一定の要件を満たした医療施設においてのみ本剤が投与されるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
21.3 日本人のBRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する低悪性度神経膠腫患者に対する本剤の有効性を確認することを目的とした製造販売後調査を実施した上で、当該調査の結果を速やかに提出するとともに医療現場に適切に情報提供すること。

22. 包装

<オジェンダ錠100mg>
16錠[4錠(PTP)×4]
<オジェンダドライシロップ300mg>
300mg[ボトル](経口投与用シリンジ1個及びボトルアダプター1個を添付)

23. 主要文献

  1. 社内資料:母集団薬物動態解析(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.3.1.5)
  2. 社内資料:海外第I相試験(C28001試験)(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.2.1.2)
  3. 社内資料:相対アベイラビリティ及び食事の影響評価試験(DAY101 QSC205140試験)(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.1.1)
  4. 社内資料:血漿蛋白結合評価(2026年9月16日承認、CTD2.6.4.4.1.1)
  5. 社内資料:代謝酵素の特定(2026年9月16日承認、CTD2.6.4.5.1.6)
  6. 社内資料:放射標識体投与時の薬物動態及び代謝試験(DAY101-103試験)(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.1.2)
  7. 社内資料:母集団薬物動態解析(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.3.4.4)
  8. 社内資料:母集団薬物動態解析(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.3.4.5)
  9. 社内資料:薬物相互作用評価
  10. 社内資料:生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.3.5.1)
  11. 社内資料:CYP誘導能評価(2026年9月16日承認、CTD2.6.4.7.1.6-8)
  12. 社内資料:ヒト肝ミクロソームを用いたCYP阻害能評価(2026年9月16日承認、CTD2.6.4.7.1.1)
  13. 社内資料:海外第II相試験(FIREFLY-1試験)(2026年9月16日承認、CTD2.7.6.2.1)
  14. 社内資料:In vitro薬効薬理試験(2026年9月16日承認、CTD2.6.2.2.1.3)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
IPSEN株式会社 製品情報担当
〒100-6162 東京都千代田区永田町二丁目11番1号 山王パークタワー3階
電話:03-6205-3483
製品情報問い合わせ先
IPSEN株式会社 製品情報担当
〒100-6162 東京都千代田区永田町二丁目11番1号 山王パークタワー3階
電話:03-6205-3483

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
IPSEN株式会社
東京都千代田区永田町二丁目11番1号 山王パークタワー3階

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/10/21 版