医療用医薬品 : クライジェファ

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医薬品情報


総称名 クライジェファ
一般名 ゲフルリマブ(遺伝子組換え)
欧文一般名 Gefurulimab(Genetical Recombination)
製剤名 ゲフルリマブ(遺伝子組換え)皮下注製剤
薬効分類名 抗補体(C5)/HSA二重特異性抗体
薬効分類番号 6399
KEGG DRUG
D12208 ゲフルリマブ
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
医薬品情報の概要は KEGG DRUG ページをご覧ください。

添付文書情報2026年9月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
クライジェファ皮下注300mgオートインジェクター KLYGEFA subcutaneous injection アレクシオンファーマ 63994B5G2027 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品
クライジェファ皮下注300mgシリンジ KLYGEFA subcutaneous injection アレクシオンファーマ 63994B5G1020 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品

1. 警告

1.1 本剤の投与により髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡に至るおそれもあるため、以下の点に十分注意すること。[5.2、9.1.1、11.1.1参照]
1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
1.1.2 原則、本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
1.1.4 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
1.2 本剤は、全身型重症筋無力症に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。[5.2、11.1.1参照]

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に使用すること。
5.2 本剤は、補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。[1.1、1.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2参照]

6. 用法及び用量

通常、成人には、ゲフルリマブ(遺伝子組換え)として、下表に示す用量を週に1回皮下投与する。
体重初回投与2回目以降
80kg未満600mg300mg
80kg以上900mg600mg

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 血漿浄化療法の施行により、本剤の血清中濃度が低下するため、下表を参考に本剤の補充投与を行うこと。補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。
体重補充用量補充投与の時期
80kg未満300mg血漿浄化療法2回施行ごと施行後4時間以内
80kg以上血漿浄化療法1回施行ごと
7.2 本剤の投与開始から26週までに症状の改善が認められない場合は、本剤の投与継続の必要性を検討すること。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。使用済みの注射針及び注射器を再使用しないよう患者に注意を促し、安全な廃棄方法に関する指導を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[1.1、5.2、11.1.1参照]
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.2、11.1.1、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行については不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 髄膜炎菌感染症(頻度不明)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化するおそれがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。類薬において、髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例が認められており、死亡に至るおそれもある。[1.1、1.2、5.2、9.1.1、9.1.2参照]
11.1.2 重篤な感染症(1.6%)
淋菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等による重篤な感染症があらわれることがある。[5.2、9.1.2参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%以上
一般・全身障害及び投与部位の状態注射部位反応及び関連反応(紅斑、発疹、腫脹、そう痒症、斑状出血、疼痛、血腫、挫傷、皮膚灼熱感、皮膚刺激、皮膚病変等)

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 本剤を冷蔵庫から取り出した後、外箱に入れたまま45分以上放置し、室温に戻してから投与すること。また、冷蔵庫から取り出した後、24時間以内に使用すること。
14.1.2 投与前に溶液が微黄色〜黄色の澄明又は半透明であることを確認し、不溶性異物がないことを確認すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 投与部位は、下腹部、大腿部又は上腕部とすること。同一箇所へ繰り返し注射することは避け、投与毎に注射部位を変えること。皮膚に異常のある部位(そう痒、硬結、紅斑等がある部位)には使用しないこと。
14.2.2 本剤は、1回使用の製剤であり、再使用しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において抗体反応が検出された患者が認められたが、抗体発現と臨床効果又は有害事象との相関は認められなかった。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
国際共同第III相試験(ALXN1720-MG-301)において、18歳以上の全身型重症筋無力症患者131例(日本人7例を含む)に、本剤を体重80kg未満の患者には初回600mg、以降は1週間間隔で300mgを皮下投与し、体重80kg以上の患者には初回900mg、以降は1週間間隔で600mgを皮下投与したときの、ゲフルリマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった1)。
全身型重症筋無力症患者におけるゲフルリマブの血清中トラフ濃度(μg/mL)
患者集団時点80kg未満80kg以上
全体1週97.9±25.05(74例)106.9±24.82(54例)
8週163.0±36.19(75例)212.6±45.93(53例)
26週160.7±43.98(70例)223.6±65.03(49例)
日本人1週113.3±17.83(6例)123.0(1例)
8週194.6±30.88(5例)250.0(1例)
26週192.4±38.64(5例)309.0(1例)
16.2 吸収
ゲフルリマブを皮下投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは約96%と推定された。注射デバイス(オートインジェクター、シリンジ)及び注射部位(腹部、大腿部、上腕部)間で、バイオアベイラビリティに臨床的に意味のある差は認められなかった(外国人データ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(ALXN1720-MG-301)(jRCT2031230019)
抗アセチルコリン受容体抗体陽性の18歳以上の全身型重症筋無力症患者260例(日本人15例を含む)を対象とした多施設共同プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験が実施された。対象は、体重が40kg以上で、Myasthenia Gravis Foundation of America(MGFA)分類がII〜IV、Myasthenia Gravis-Activities of Daily Living(MG-ADL)総スコアが5以上の患者とした。なお、治験薬投与開始前3年以内又は投与開始時点で髄膜炎菌ワクチン接種を必須とした。治験薬投与開始2週間前までに髄膜炎菌ワクチン接種を受けていない患者には、治験薬投与開始時からワクチン接種2週間後まで抗生物質を予防的に投与することとした。
本試験では、26週間の二重盲検期とそれに続く非盲検の継続投与期を設定した。二重盲検期には本剤群に1日目に初回用量、初回投与2週以降は維持用量を、下表に示す体重に基づく用量で週1回皮下投与した。継続投与期には投与26週時に本剤群には維持用量、プラセボ群には体重に基づく本剤の初回用量を盲検下で皮下投与し、その後はすべての患者に本剤の体重に基づく維持用量を非盲検下で週1回皮下投与した。なお、二重盲検期を通じて用量を一定とする標準治療(AChE阻害薬、ステロイド及び免疫抑制剤)が併用可能とされた。
体重初回用量維持用量
40kg以上80kg未満600mg300mg
80kg以上900mg600mg
主要評価項目である「ベースラインから投与26週後までのMG-ADL総スコアの変化量」の結果は下表のとおりであり、プラセボ群と本剤群との間に統計学的に有意な差が認められた。また、副次評価項目である「ベースラインから投与26週後までのQuantitative Myasthenia Gravis score for disease severity(QMG)総スコアの変化量」の結果は下表のとおりであった2)。
表 投与26週後におけるMG-ADL総スコアのベースラインからの変化量(FAS)
 ベースライン26週変化量a),b)変化量の群間差[95%CI]b)p値b),c)
プラセボ群9.0±2.03(129)6.3±3.41(121)−2.6±0.27\\
本剤群9.0±2.29(131)4.7±3.56(125)−4.2±0.29−1.6[−2.4,−0.8]<0.0001
表 投与26週後におけるQMG総スコアのベースラインからの変化量(FAS)
 ベースライン26週変化量a),b)変化量の群間差[95%CI]b)
プラセボ群14.7±4.39(129)12.4±5.21(118)−2.4±0.34\
本剤群14.9±4.38(131)10.4±4.76(124)−4.5±0.37−2.1[−3.1,−1.1]
二重盲検期での副作用の発現頻度は本剤群で27.5%(131例中36例)、プラセボ群で27.9%(129例中36例)であった。本剤群での主な副作用は注射部位紅斑、頭痛、紅斑が各3.1%(131例中4例)であった3)。継続投与期で最後の患者が投与52週を完了した時点(2025年11月25日)までの本剤投与患者全体での副作用の発現頻度は31.6%(253例中80例)であった。主な副作用は上気道感染が4.3%(253例中11例)、注射部位紅斑、頭痛が3.6%(253例中9例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は、補体タンパクC5に特異的に結合し、C5のC5a及びC5bへの開裂を阻害することで、C5a及び終末補体複合体(C5b-9)の生成を抑制する。その結果、終末補体介在性の神経筋伝達障害を抑制する。
18.2 補体C5に対する阻害作用
本剤は、ヒト血清試料を用いた抗体感作ニワトリ赤血球において、補体古典経路による溶血を抑制した4)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ゲフルリマブ(遺伝子組換え)

一般的名称 ゲフルリマブ(遺伝子組換え)
一般的名称(欧名) Gefurulimab(Genetical Recombination)
分子式 C1230H1878N356O391S8
理化学知見その他 ゲフルリマブは、遺伝子組換え一本鎖二価二重特異性モノクローナル抗体(VH-VH')であり、1〜123番目は抗ヒト血清アルブミン(HSA)抗体の可変部、124〜138番目はリンカー、また139〜264番目は抗補体C5抗体の可変部からなる。相補性決定部はいずれもラマH鎖抗体、フレームワーク部は主にヒトに由来し、一部はラマに由来する。ゲフルリマブは、CHO細胞により産生される。ゲフルリマブは、264個のアミノ酸残基からなるタンパク質である。
KEGG DRUG D12208

20. 取扱い上の注意

20.1 激しく振とうしないこと。
20.2 凍結を避けること。
20.3 光曝露を避けるため、外箱に入れて保存すること。

21. 承認条件

21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
21.2 本剤の投与が、全身型重症筋無力症の診断、治療に精通し、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関のもとで、髄膜炎菌感染症の診断、治療に精通した医師との連携を取った上でのみ行われるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。

22. 包装

<クライジェファ皮下注300mgオートインジェクター>
1本
<クライジェファ皮下注300mgシリンジ>
1本

23. 主要文献

  1. 社内資料:臨床薬理の概要(2026年9月16日承認、CTD 2.7.2.2)
  2. 社内資料:臨床的有効性の概要(2026年9月16日承認、CTD 2.7.3.2.1)
  3. 社内資料:臨床的安全性の概要(2026年9月16日承認、CTD 2.7.4.2.1)
  4. 社内資料:効力を裏付ける試験(2026年9月16日承認、CTD 2.6.2.2)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アレクシオンファーマ合同会社 メディカル インフォメーション センター
〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目1番1号 田町ステーションタワーN
電話:0120-577-657
製品情報問い合わせ先
アレクシオンファーマ合同会社 メディカル インフォメーション センター
〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目1番1号 田町ステーションタワーN
電話:0120-577-657

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アレクシオンファーマ合同会社
〒108-0023 東京都港区芝浦三丁目1番1号 田町ステーションタワーN

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/10/21 版