医療用医薬品 : オンスイク

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医薬品情報


総称名 オンスイク
一般名 インスリン エフシトラ アルファ(遺伝子組換え)
欧文一般名 Insulin Efsitora Alfa(Genetical Recombination)
製剤名 インスリン エフシトラ アルファ(遺伝子組換え)注射液
薬効分類名 週1回持効型溶解インスリンアナログ注射液
薬効分類番号 2492
KEGG DRUG
D13028 インスリンエフシトラアルファ
KEGG DGROUP
DG01636 インスリン製剤
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
医薬品情報の概要は KEGG DRUG ページをご覧ください。

添付文書情報2026年9月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
オンスイク注ミリオペン総量1500単位 Onswik Injection 日本イーライリリー 24924A8G1027 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 低血糖症状を呈している患者[11.1.1参照]
2.2 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

インスリン療法が適応となる2型糖尿病

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 本剤は1型糖尿病の患者には使用しないこと。また、インスリン分泌能が著しく低下した2型糖尿病患者に対しても、本剤の適用の可否を慎重に判断すること。成人の1型糖尿病患者を対象とした52週間の臨床試験において、重症低血糖(レベル3)の発現割合は、インスリン デグルデク群と比較して本剤群で高かった。[11.1.1、15.1.1参照]
5.2 急を要する場合以外は、あらかじめ2型糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行った上で適用を考慮すること。

6. 用法及び用量

通常、成人では、1週間に1回皮下注射する。初期は通常1回30〜140単位とし、患者の状態に応じて適宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1週間あたり30〜560単位である。ただし、必要により上記用量を超えて使用することがある。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 適用にあたっては、本剤の作用特性と患者の状態に留意し、患者の状態が本剤の製剤的特徴に適する場合に投与すること。[16.1、16.8.1参照]
7.2 本剤投与中は慎重に血糖モニタリングを行いながら、患者の状態を注意深く観察し、投与量を調整すること。適切な血糖コントロールが得られない場合には、連日投与のBasalインスリン製剤等を用いたインスリン治療に変更すること。
7.3 Basalインスリンの投与を受けていない患者に本剤を投与する場合は以下を参考にすること。
7.3.1 本剤の投与量は、初回(第1週)のみ300単位、2回目(第2週)は100単位を目安とすること。ただし、低血糖のリスクが懸念される患者や、体重60kg以下又は投与開始時のHbA1c7.5%以下の患者においては、初回(第1週)のみ150単位、2回目(第2週)は50単位を目安とすることを検討すること。初回の用量のまま、2回目以降の投与をしないこと。[17.1.1参照]
7.3.2 3回目(第3週)以降の用量は、患者の目標血糖値に基づいて調整すること。用量調整は空腹時血糖値に基づいて行うことが推奨される。
7.4 連日投与のBasalインスリン製剤から本剤に変更する場合は以下を参考にすること。
7.4.1 投与開始日
本剤の初回投与は、連日投与のBasalインスリン製剤の最終投与日の翌日から行うこと。
7.4.2 推奨投与量
(1)本剤投与前の空腹時血糖値が120mg/dL以下の場合
・初回(第1週)及び2回目(第2週)は、週あたりの用量として、それまで連日投与していたBasalインスリンの1日総投与量の7倍に相当する単位数を目安とすること。ただし、インスリン グラルギン300単位/mL製剤又は1日2回投与の中間型インスリン製剤から本剤に変更する場合は、それまでの1日総投与量の80%の単位数の7倍に相当する単位数を目安とすること。
・3回目(第3週)以降の用量は、患者の目標血糖値に基づいて調整すること。用量調整は空腹時血糖値に基づいて行うことが推奨される。
・本剤投与開始後に一過性に血糖値が上昇するおそれがあることに注意すること。[8.6参照]
・本剤の作用特性により十分な効果の発現までに時間を要することがあるため、高血糖が認められる場合であっても、用量調整は慎重に行うこと。[16.1、16.8.1参照]
(2)本剤投与前の空腹時血糖値が120mg/dL超の場合
・初回(第1週)の用量は7.4.2(1)項の1点目に示す単位数の3倍用量、2回目(第2週)は7.4.2(1)項の1点目に示す単位数を目安とすること。3倍用量のまま、2回目以降投与しないこと。
・3回目(第3週)以降の用量は、患者の目標血糖値に基づいて調整すること。用量調整は空腹時血糖値に基づいて行うことが推奨される。
7.4.3 本剤への切り替え時の注意事項
・初回投与後に低血糖を認めた場合には、その後の投与継続については慎重に判断し、適宜減量して投与すること。
・本剤への切り替え時及びその後数週間は、特に血糖モニタリングを十分に行うこと。連日投与のBasalインスリン製剤から本剤に変更する場合、本剤の作用特性により、適切な血糖コントロールが得られるまでに時間を要することがある。[16.1、16.8.1参照]
・必要に応じて、併用する超速効型、速効型インスリン、又は他の糖尿病用薬の用量及び投与スケジュールを調整すること。
7.5 本剤の推奨される投与方法は、他の連日投与のBasalインスリン製剤や週1回投与のBasalインスリン製剤とは異なる。誤投与による重大な低血糖を防ぐため、以下の点に注意すること。[11.1.1参照]
・本剤を連日投与しないこと。
・初回に3倍用量を投与した場合、2回目以降も3倍用量を繰り返し投与しないこと。また、3倍用量での投与は初回限りのため、複数回投与しないよう、特に注意すること。
・誤って過量投与した場合は、血糖モニタリングを十分に行い、次回の投与タイミングを慎重に判断すること。低血糖が認められた場合には、患者の状態に応じて適切な処置を行い、低血糖が回復するまで本剤を再開しないこと。
7.6 インスリン以外の他の糖尿病用薬との併用は、本剤の作用特性を考慮の上で、慎重に行うこと。
7.7 他の週1回投与のBasalインスリン製剤から本剤への切り替え及び本剤から他の週1回投与のBasalインスリン製剤への切り替えにあたっては、患者の状態を注意深く観察し、切り替え時及びその後一定期間は特に血糖モニタリングを慎重に行うこと。他の週1回投与のBasalインスリン製剤との切り替えに関するデータは得られていない。
7.8 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。やむを得ず週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、投与間隔を4日間以上とし、変更後の曜日で本剤の投与を継続すること。
7.9 あらかじめ定めた曜日に投与を忘れた場合は、忘れた日から4日以内であれば、気づいた時点で直ちに投与し、4日を超えた場合は、忘れた投与は行わないこと。いずれの場合も、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。
7.10 糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型又は超速効型インスリン製剤を使用すること。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。[8.4、8.5参照]
・投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
・添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
8.2 低血糖に関する注意について、その対処方法も含めて患者及びその家族に十分徹底させること。[9.1.2、11.1.1参照]
8.3 低血糖があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。[11.1.1参照]
8.4 本剤はインスリン エフシトラ アルファ500単位/mL製剤専用のペン型注入器を使用しているため、単位数を再計算せず、指示された単位数をそのまま設定して投与するよう、患者に十分指導すること。[8.1参照]
8.5 他のインスリン製剤やGLP-1受容体作動薬等から本剤に変更する場合や、これらの薬剤と本剤を併用する場合において、本剤を連日投与する、又は指示された単位数より多く設定して投与するなどの投薬過誤が生じ、その結果、重大な低血糖を起こすおそれがある。また、本剤を初回に3倍用量を投与した後、2回目以降も3倍用量を繰り返し投与するなどの投薬過誤によっても、重大な低血糖を起こすおそれがある。本剤の投与方法に過誤が生じないよう、本剤が週1回投与する薬剤であること、単位数の設定方法、及び用量調整方法について、患者に十分指導すること。[8.1、11.1.1、14.3.6参照]
8.6 他の連日投与のBasalインスリン製剤から本剤に変更する際に、本剤投与前の空腹時血糖値が120mg/dL以下であり、初回に3倍用量を投与しない場合、本剤投与後に一過性に血糖値が上昇するおそれがある。初回を3倍用量としない場合、本剤の投与開始時及びその後数週間は血糖モニタリングを十分に行うこと。また、以下の点に留意すること。[7.4.2参照]
8.6.1 血糖モニタリングに加えて、必要に応じてケトン体の測定を含む検査を適切に実施するなど、患者の状態を慎重に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
8.6.2 患者に対して、糖尿病性ケトアシドーシス等の高血糖に伴う急性代謝失調の症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診するよう指導すること。
8.7 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
8.8 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
8.9 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
・本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2〜3cm離すこと。[14.3.3参照]
・注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
8.10 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。
8.11 本剤は連日投与のBasalインスリン製剤と比較して消失半減期が長いため、本剤から連日投与のBasalインスリン製剤に切り替える際は、以下の点を考慮すること。[11.1.1、16.1、16.8.1参照]
・連日投与のBasalインスリン製剤の開始時期は、患者の空腹時血糖値の上昇が認められたことを確認した上で、適切に判断すること。
・連日投与のBasalインスリン製剤の開始用量は、空腹時血糖値に応じて低用量から設定するなど、慎重に設定すること。
・切り替え時及びその後一定期間は特に血糖モニタリングを慎重に行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 手術、外傷、感染症等の患者
インスリン需要の変動が激しい。
9.1.2 低血糖を起こしやすい以下の患者又は状態
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・下痢、嘔吐等の胃腸障害
・飢餓状態、不規則な食事摂取
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取
[8.2、11.1.1参照]
9.1.3 自律神経障害の患者
アドレナリンの欠乏により低血糖の自覚症状が明確でないことがある。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 中等度以上の腎機能障害患者
投与開始時及びその後の一定期間は血糖モニタリングを十分に行い、慎重に投与量を調整すること。連日投与のBasalインスリン製剤から本剤に変更する場合には、特に注意すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1参照]
9.2.2 重篤な腎機能障害患者
低血糖を起こしやすい。本剤の使用経験は限られている。[11.1.1、17.1.1-17.1.3参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害患者
低血糖を起こしやすい。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。生殖発生毒性試験(ラット及びウサギ)において、母体の低血糖症に伴い、早期胚喪失及び奇形、並びに出生児の死亡率高値が認められている1)。また、ヒトIgGは胎盤通過性があることが知られており、母動物(ラット)の妊娠中及び授乳中に本剤を投与したとき、出生児(生後4日目)の血中に本剤が検出されている2)。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。また、生殖発生毒性試験(ラット)では、母動物の妊娠中及び授乳中に本剤を投与したとき、出生児(生後11日目)の血中に本剤が検出され2)、出生児において低血糖及び死亡が認められている1)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすい。[11.1.1参照]

10. 相互作用

10.2 併用注意
糖尿病用薬
ビグアナイド系薬剤
スルホニルウレア系薬剤
速効型インスリン分泌促進剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
チアゾリジン系薬剤
DPP-4阻害剤
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤
GIP/GLP-1受容体作動薬等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]血糖降下作用が増強される。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]インスリンの分泌を促進し、糖新生を阻害する。
三環系抗うつ剤
ノルトリプチリン塩酸塩等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
サリチル酸誘導体
アスピリン
エテンザミド
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]β細胞の糖に対する感受性の亢進、インスリン分泌促進により血糖降下作用を示す。また末梢で弱いインスリン様作用を有する。
抗腫瘍剤
シクロホスファミド水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
β遮断剤
プロプラノロール塩酸塩
アテノロール
ピンドロール
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
クマリン系薬剤
ワルファリンカリウム
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]機序は不明である。
クロラムフェニコール血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]機序は不明である。
ベザフィブラート血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
サルファ剤血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
シベンゾリンコハク酸塩
ジソピラミド
ピルメノール塩酸塩水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]動物実験においてインスリンの分泌を促進するとの報告があり、血糖降下作用が増強される可能性がある。
チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
副腎皮質ステロイド
プレドニゾロン
トリアムシノロン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。末梢組織でインスリンの作用に拮抗し、また糖新生を促進する。
ACTH
テトラコサクチド酢酸塩
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。糖質コルチコイドの産生を促し、血糖上昇作用を示す。
アドレナリン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。肝での糖新生の促進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制により血糖を上昇させる。
グルカゴン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。肝グリコーゲン分解促進、糖新生の亢進により血糖を上昇させる。
甲状腺ホルモン
レボチロキシンナトリウム水和物
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。肝での糖新生を亢進させる可能性がある。
成長ホルモン
ソマトロピン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
卵胞ホルモン
エチニルエストラジオール
結合型エストロゲン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
経口避妊薬血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
ニコチン酸血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。末梢でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
濃グリセリン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
イソニアジド血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。炭水化物代謝を阻害し、血糖値を上昇させる。
ダナゾール血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。抗インスリン作用を有する。
フェニトイン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。インスリン分泌抑制作用を有する。
ジアゾキシド血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。β細胞のインスリン分泌を抑制することで血糖を上昇させる可能性がある。
抗FcRn抗体製剤
ニポカリマブ(遺伝子組換え)等
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。これらの薬剤により、本剤の胎児性Fc受容体(FcRn)への結合が阻害され、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
蛋白同化ステロイド
メテノロン
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]機序は不明である。
ソマトスタチンアナログ製剤
オクトレオチド酢酸塩
ランレオチド酢酸塩
パシレオチドパモ酸塩
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1参照]インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血糖(頻度不明)
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。本剤は週1回投与する薬剤であり、その作用は持続的であるため、回復が遅延するおそれがある。[2.1、5.1、7.5、8.2、8.3、8.5、8.11、9.1.2、9.1.3、9.2.2、9.3.1、9.8、10.2参照]
11.1.2 重篤な過敏症反応(頻度不明)
アナフィラキシーを含む重篤な過敏症反応があらわれることがある。症状が認められた場合は投与を中止すること。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%以上1%未満
免疫系障害 過敏症
一般・全身障害および投与部位の状態 注射部位反応(注射部位疼痛、注射部位血腫、注射部位肥厚、注射部位紅斑、注射部位内出血)、末梢性浮腫
皮膚および皮下組織障害 リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)、そう痒症
臨床検査体重増加 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点を指導すること。
・凍結を避け、遮光して2〜8℃で保存すること。
・使用開始後112日(16週間)以内に使用し、残った場合は廃棄すること。
・やむを得ず室温(30℃以下)で保存する場合は、遮光し、14日以内に使用すること。14日以内に使用しない場合、再度冷蔵保存(2〜8℃)することも可能だが、室温での保存は累積14日を超えないこと。
14.2 薬剤投与前の注意
投与前に異物や変色が認められないことを目視により確認すること。濁りや異物が認められる場合は使用しないこと。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 本剤のカートリッジにインスリン製剤を補充したり、他のインスリン製剤と混合しないこと。
14.3.2 本剤のカートリッジを取り外して使用しないこと。また、シリンジを用いてカートリッジから薬液を抜き取らないこと。過少投与や過量投与となるおそれがある。
14.3.3 皮下注射は、腹部、大腿部、上腕部、及び臀部に行う。同じ部位に注射を行う場合は、前回の注射箇所より2〜3cm離して注射すること。[8.9参照]
14.3.4 静脈内に投与しないこと。また、持続皮下注入ポンプを用いて投与しないこと。
14.3.5 1本を複数の患者に使用しないこと。
14.3.6 本剤の単位合わせダイアルの1クリック(1目盛り)は5単位に相当し、本剤の投与単位数は5単位刻みで設定可能である。[8.5参照]
14.3.7 本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。
14.3.8 本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 18歳以上の1型糖尿病患者注)を対象とした無作為化非盲検実薬対照並行群間比較試験において、投与52週までの重症低血糖(レベル3)の発現割合は、本剤群で10.2%(35/343例)、インスリン デグルデク群で3.15%(11/349例)であった。[5.1参照]
15.1.2 インスリン又は経口糖尿病薬の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある3)。
15.1.3 ピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されている。併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。
15.1.4 2型糖尿病患者を対象とした第III相試験3試験の併合集団(投与期間26〜78週)において、本剤投与群の2.2%(33/1467例)に本剤に対する抗体が認められた。また、1.0%(15/1467例)に内因性インスリンに交差反応する抗体が認められた。さらに、本剤投与群の0.6%(8/1400例)に本剤に対する中和抗体が、0.4%(6/1400例)に内因性インスリンに対する中和抗体が認められた。
注)本剤の承認された効能又は効果はインスリン療法が適応となる2型糖尿病である。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
日本人2型糖尿病患者23例に本剤を単回皮下投与したときの本剤の血漿中濃度推移(図1)及び薬物動態パラメータ(表1)を示す4)。
図1)2型糖尿病患者に本剤単回皮下投与後の血漿中濃度推移(平均値)
表1)2型糖尿病患者に本剤単回皮下投与後の薬物動態パラメータ
パラメータ175単位
(8例)
350単位
(8例)
700単位
(7例)
Cmax(nmol/L)6.67(15%)14.8(18%)19.5(26%)
AUC0-∞(nmol・hr/mL)3.79(16%)7.87(26%)c)12.6(12%)d)
Tmax(day)a)4.5(2.0-5.0)4.0(3.0-6.0)4.0(2.0-6.0)
t1/2(day)b)15.8(11.0-25.0)11.3(7.6-14.5)c)16.4(13.5-20.7)d)
CL/F(L/hr)0.0206(16%)0.0198(26%)c)0.0247(12%)d)
Vz/F(L)11.3(20%)7.77(29%)c)14.0(26%)d)
母集団薬物動態解析の結果、本剤を初回限りの3倍用量なしで開始した場合には、8〜10週で定常状態に到達し、初回限りの3倍用量を行った場合には、4〜6週で定常状態に達した。また、本剤(4単位/kg)を反復皮下投与したとき、定常状態でのTmaxは2.5日、半減期は約17日であった。定常状態でのピーク/トラフ比は1.16で、平坦な薬物動態プロファイルを示した(図2)。[7.1、7.4.2、7.4.3、8.11参照]
図2)2型糖尿病患者に本剤(4単位/kg)反復皮下投与後の定常状態での血漿中濃度推移
16.2 吸収
健康成人153例に本剤100単位を大腿部、腹部、及び上腕部に単回皮下投与した。それぞれの投与部位に投与したときの本剤の血漿中Cmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比とその90%信頼区間は、上腕部/腹部で0.969[0.891,1.05]及び1.10[1.01,1.20]、大腿部/腹部で0.913[0.840,0.991]及び1.04[0.962,1.14]であった。また、健康成人10例に本剤100単位を腹部に単回皮下投与及び本剤44単位を静脈内投与注1)したときの絶対的バイオアベイラビリティは、約86%であった5)(外国人データ)。
16.3 分布
健康成人10例に本剤44単位を静脈内投与注1)したときの分布容積の幾何平均値(CV%)は11L(24%)であった5)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
健康成人、1型糖尿病患者注2)、及び2型糖尿病患者2211例を対象とした母集団薬物動態解析の結果、軽度、中等度、重度の腎機能障害を有する者のクリアランスは、正常な腎機能を有する者に対して約21〜46%低かった。また、正常な腎機能を有する者に対する腎機能障害を有する者における本剤の血漿中曝露量(AUCtau)の比の推定値は、以下のとおりであった。[9.2.1参照]
腎機能単回反復
AUCtauの比の推定値
[90%信頼区間]
軽度/正常
(軽度:eGFR60以上90未満)
1.04
[1.04,1.05]
1.25
[1.10,1.49]
中等度/正常
(中等度:eGFR30以上60未満)
1.06
[1.06,1.07]
1.50
[1.30,1.78]
重度/正常
(重度:eGFR30未満)
1.07
[1.07,1.10]
1.77
[1.56,2.14]
16.8 その他
16.8.1 グルコースクランプにおけるグルコース注入速度
2型糖尿病患者53例に本剤を10週間週1回皮下投与(初回12単位/kg、その後4単位/kg)し、本剤の最終投与後0〜24時間、72〜96時間、及び144〜168時間にグルコースクランプを行った。得られたデータに基づき、母集団薬物動態/薬力学モデルを用いて、定常状態におけるグルコース注入速度(GIR)及び週1回投与間隔におけるグルコース注入速度(GIR)−時間曲線下面積(GIRのAUC)の1日あたりの割合の分布を予測した結果は、図3のとおりであった(外国人データ)。
定常状態でのGIRのAUCの1日あたりの割合のピーク/トラフ比は1.07であった6)。[7.1、7.4.2、7.4.3、8.11参照]
図3)2型糖尿病患者に本剤の週1回皮下投与(4単位/kg)したときの定常状態でのグルコース注入速度及び投与間隔におけるグルコース注入速度(GIR)−時間曲線下面積(GIRのAUC)の1日あたりの割合の分布
左軸:灰色の点及び縦線は、GIRの平均値及び標準誤差を表す。黒の実線は、週1回投与間隔のモデルで予測した平均GIRを表す。
右軸:棒グラフのエラーバーは標準誤差を示す。黒の破線は、血糖降下作用が7日間均等に分布しているときの%を示す。
注1)本剤の承認された用法は皮下投与である。
注2)本剤の承認された効能又は効果はインスリン療法が適応となる2型糖尿病である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 インスリン治療歴のない2型糖尿病患者における国際共同第III相試験(QWINT-2[I8H-MC-BDCX]試験、jRCT2031220290)
インスリン治療歴のない18歳以上の2型糖尿病患者928例(うち日本人144例)を対象に無作為割り付けを行い、非盲検下で本剤を週1回又はインスリン デグルデクを1日1回、52週間皮下投与した(本剤:466例[日本人:71例]、インスリン デグルデク:462例[日本人:73例])。本剤又はインスリン デグルデクは、糖尿病治療薬(ビグアナイド薬、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、GLP-1受容体作動薬、スルホニル尿素薬、チアゾリジン薬)併用下で投与した。なお、eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者は除外された。本剤群の開始用量は300単位、2回目(2週目)の投与量は100単位、インスリン デグルデク群の開始用量は10単位とした。なお、体重60kg以下又はHbA1c7.5%以下の日本人を含む東アジア人においては、本剤群の開始用量は150単位、2回目の投与量は50単位、インスリン デグルデク群の開始用量は5単位とすることも可能とされた。本剤及びインスリン デグルデクの投与量は、朝食前の空腹時血糖値(直近3回の測定の中央値)及び低血糖の発現状況に基づき調節され、本剤では投与3〜13週目は毎週、投与14週目以降は4週ごと、インスリン デグルデクでは投与2〜13週目は毎週、投与14週目以降は4週ごとに用量調節することが可能とされた。
主要評価項目であるベースラインから52週時のHbA1c変化量は表1)のとおりであり、本剤のインスリン デグルデクに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.3%)7)。
表1)主要評価項目
 全体集団日本人部分集団
本剤群
(466例)
インスリン デグルデク群
(462例)
本剤群
(71例)
インスリン デグルデク群
(73例)
HbA1c(%)
ベースラインa)8.21±0.96
(462例)
8.23±0.96
(456例)
8.04±0.75
(71例)
8.00±0.72
(73例)
投与52週時a)6.83±0.97
(417例)
6.94±0.99
(421例)
6.64±0.63
(70例)
6.60±0.47
(69例)
変化量b)−1.34±0.05−1.26±0.05−1.37±0.08−1.36±0.08
インスリン デグルデク群との群間差b)−0.081[−0.22,0.06]−0.011[−0.24,0.22]
主な副次評価項目の結果を表2)に示す。
表2)主な副次評価項目
 全体集団
本剤群
(466例)
インスリン デグルデク群
(462例)
空腹時血糖値(mg/dL)
ベースラインa)183.2±44.4(449例)183.4±46.4(438例)
投与52週時a)117.3±22.0(403例)119.2±23.4(406例)
変化量a)−64.8±44.8(403例)−64.2±45.2(406例)
HbA1c 7%未満の達成
投与52週時の達成割合(%)b)64.3(298例)61.6(282例)
レベル2又はレベル3の低血糖を発現せずにHbA1c 7%未満の達成
投与52週時の達成割合(%)b)45.2(209例)46.1(211例)
血糖値の目標範囲内(70〜180mg/dL)時間(time in range)(%)
48〜52週a)69.8±20.3(300例)65.9±21.5(295例)
1週間あたりのBasalインスリン投与量(単位)
50〜52週c)280.0(10.0,1060.0)
(398例)
294.0(14.0,1302.0)
(419例)
 日本人部分集団
1週間あたりのBasalインスリン投与量(単位)
 本剤群
(71例)
インスリン デグルデク群
(73例)
50〜52週c)150.0(10.0,900.0)
(70例)
203.0(14.0,616.0)
(70例)
投与52週までの重症低血糖(レベル3)、重症低血糖又は血糖値54mg/dL未満の低血糖(レベル2)、及びレベル3又はレベル2の夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合を表3)に示す。[7.3.1、9.2.2参照]
表3)低血糖の発現状況
 全体集団日本人部分集団
本剤群
(466例)
インスリン デグルデク群
(462例)
本剤群
(71例)
インスリン デグルデク群
(73例)
患者あたりの年間発現件数[発現割合(%)]
レベル3の低血糖00.013[1.30]00.028[2.74]
レベル3又はレベル2の低血糖0.57[27.90]0.44[22.08]0.38[21.13]0.35[17.81]
レベル3又はレベル2の夜間低血糖0.07[4.94]0.08[4.98]0.10[5.63]0.07[4.11]
17.1.2 Basalインスリンで治療中の2型糖尿病患者を対象とした国際共同第III相試験(QWINT-3[I8H-MC-BDCU]試験、jRCT2031220018)
Basalインスリンで治療中の18歳以上の2型糖尿病患者976例(日本人131例を含む)を対象に無作為割り付けを行い、非盲検下で本剤を週1回又はインスリン デグルデクを1日1回、78週間皮下投与した(本剤:648例[日本人:87例]、インスリン デグルデク:328例[日本人:44例])。本剤又はインスリン デグルデクは、糖尿病治療薬(メトホルミン、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、GLP-1受容体作動薬)併用下で投与した。なお、eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者は除外された。本剤群の開始用量は、無作為化1週間前の空腹時血糖値の中央値が120mg/dL超の場合は、割り付け前のBasalインスリン1日投与量の7倍量をさらに3倍に増量した用量を投与し、無作為化1週間前の空腹時血糖値が120mg/dL以下の場合は、割り付け前のBasalインスリン1日投与量の7倍量とした。本剤の2回目(2週目)の投与量はBasalインスリン1日投与量の7倍量とした。インスリン デグルデクの開始用量は、割り付け前のBasalインスリン1日投与量と同量とした。本剤及びインスリン デグルデクの投与量は、朝食前の空腹時血糖値(直近3回の測定の中央値)、割り付け前のBasalインスリン投与量、及び低血糖の発現状況に基づき調節され、本剤では投与3〜13週目は毎週、投与14週目以降は4週ごと、インスリン デグルデクでは投与2〜12週目は毎週、投与13週目以降は4週ごとに用量調節することが可能とされた。
主要評価項目であるベースラインから26週時のHbA1c変化量は表4)のとおりであり、本剤のインスリン デグルデクに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.3%)8)。
表4)主要評価項目
 全体集団日本人部分集団
本剤群
(648例)
インスリン デグルデク群
(328例)
本剤群
(87例)
インスリン デグルデク群
(44例)
HbA1c(%)
ベースラインa)7.80±0.87
(638例)
7.80±0.83
(324例)
7.64±0.77
(87例)
7.56±0.60
(44例)
投与26週時a)6.93±0.87
(605例)
7.02±0.79
(304例)
6.86±0.71
(86例)
7.08±0.74
(43例)
変化量b)−0.86±0.03−0.75±0.05−0.79±0.08−0.47±0.11
インスリン デグルデク群との群間差b)−0.11
[−0.22,0.01]
−0.31
[−0.57,−0.05]
主な副次評価項目の結果を表5)に示す。
表5)主な副次評価項目
 全体集団
本剤群
(648例)
インスリン デグルデク群
(328例)
空腹時血糖値(mg/dL)
ベースラインa)150.6±38.9(626例)151.2±39.8(318例)
投与26週時a)118.3±24.6(600例)119.5±21.4(304例)
変化量a)−31.7±37.5(600例)−30.8±34.9(304例)
HbA1c 7%未満の達成
投与26週時の達成割合(%)b)58.4(375例)52.3(170例)
レベル2又はレベル3の低血糖を発現せずにHbA1c 7%未満の達成
投与26週時の達成割合(%)b)45.0(289例)41.8(136例)
血糖値の目標範囲内(70〜180mg/dL)時間(time in range)(%)
22〜26週a)62.9±19.8(559例)61.8±19.9(273例)
1週間あたりのBasalインスリン投与量(単位)
24〜26週c)280.0(30.0,1170.0)(602例)322.0(49.0,1289.9)(309例)
 日本人部分集団
1週間あたりのBasalインスリン投与量(単位)
 本剤群
(87例)
インスリン デグルデク群
(44例)
24〜26週c)150.0(30.0,640.0)
(86例)
154.0(49.0,512.5)
(43例)
投与78週までの重症低血糖(レベル3)、重症低血糖又は血糖値54mg/dL未満の低血糖(レベル2)、及びレベル3又はレベル2の夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合を表6)に示す。[9.2.2参照]
表6)低血糖の発現状況
 全体集団日本人部分集団
本剤群
(648例)
インスリン デグルデク群
(328例)
本剤群
(87例)
インスリン デグルデク群
(44例)
患者あたりの年間発現件数[発現割合(%)]
レベル3の低血糖0.008[0.93]0.004[0.61]0.016[1.15]0
レベル3又はレベル2の低血糖0.83[41.20]0.74[37.50]0.39[31.03]0.36[22.73]
レベル3又はレベル2の夜間低血糖0.10[8.49]0.10[10.06]0.06[5.75]0.02[2.27]
17.1.3 Basal-Bolus療法で治療中の2型糖尿病患者を対象とした海外第III相試験(QWINT-4[I8H-MC-BDCV]試験、NCT05462756)
Basal-Bolus療法で治療中の18歳以上の2型糖尿病患者730例を対象に無作為割り付けを行い、非盲検下で本剤を週1回又はインスリン グラルギン(100単位/mL)を1日1回、26週間皮下投与した(本剤:365例、インスリン グラルギン:365例)。本剤又はインスリン グラルギンは、糖尿病治療薬(メトホルミン、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、GLP-1受容体作動薬)併用又は非併用下かつBolusインスリンとしてインスリン リスプロ食前皮下投与の併用下で投与した。なお、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外された。本剤群の開始用量は、無作為化1週間前の空腹時血糖値の中央値が120mg/dL超の場合は、割り付け前のBasalインスリン1日投与量の7倍量をさらに3倍に増量した用量を投与し、無作為化1週間前の空腹時血糖値が120mg/dL以下の場合は、割り付け前のBasalインスリン1日投与量の7倍量とした。本剤の2回目(2週目)の投与量はBasalインスリン1日投与量の7倍量とした。インスリン グラルギンの開始用量は、割り付け前のBasalインスリン1日投与量と同量とした。本剤及びインスリン グラルギンの投与量は、朝食前の空腹時血糖値(直近3回の測定の中央値)、割り付け前の空腹時血糖値、割り付け前のBasalインスリン投与量、及び低血糖の発現状況に基づき、試験期間を通じて調節され、本剤では投与3〜13週目は毎週、投与14週目以降は4週ごと、インスリン グラルギンでは投与2〜13週目は毎週、投与14週目以降は4週間ごとに用量調節することが可能とされた。
主要評価項目であるベースラインから26週時のHbA1c変化量は表7)のとおりであり、本剤のインスリン グラルギンに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.3%)9)。
表7)主要評価項目
 本剤群
(365例)
インスリン グラルギン群
(365例)
HbA1c(%)
ベースラインa)8.18±0.83(360例)8.18±0.80(360例)
投与26週時a)7.09±0.90(336例)7.10±0.84(336例)
変化量b)−1.07±0.05−1.07±0.05
インスリン グラルギン群との群間差b)0.01
[−0.13,0.14]
主な副次評価項目の結果を表8)に示す。
表8)主な副次評価項目
 本剤群
(365例)
インスリン グラルギン群
(365例)
空腹時血糖値(mg/dL)
ベースラインa)166.9±40.3(354例)167.6±44.8(359例)
投与26週時a)132.6±34.6(318例)136.3±33.1(328例)
変化量a)−33.1±44.1(318例)−28.4±45.8(328例)
HbA1c 7%未満の達成
投与26週時の達成割合(%)b)47.6(172例)47.6(172例)
レベル2又はレベル3の低血糖を発現せずにHbA1c7%未満の達成
投与26週時の達成割合(%)b)21.5(78例)19.6(71例)
血糖値の目標範囲内(70〜180mg/dL)時間(time in range)(%)
22〜26週a)61.5±18.4(287例)58.1±20.2(300例)
1週間あたりのBasalインスリン投与量(単位)
24〜26週c)360.0(20.0,1380.0)
(298例)
392.0(42.0,1206.8)
(328例)
投与26週までの重症低血糖(レベル3)、重症低血糖又は血糖値54mg/dL未満の低血糖(レベル2)、及びレベル3又はレベル2の夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合を表9)に示す。[9.2.2参照]
表9)低血糖の発現状況
 本剤群
(365例)
インスリン グラルギン群
(365例)
患者あたりの年間発現件数[発現割合(%)]
レベル3の低血糖0.028[1.37]0.028[1.37]
レベル3又はレベル2の低血糖5.99[55.62]5.33[55.62]
レベル3又はレベル2の夜間低血糖0.60[15.62]0.97[20.27]

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤の主要な作用はグルコース代謝の調節である。本剤は、インスリン受容体に結合し、骨格筋や脂肪組織による末梢グルコースの取り込みを促進するとともに、肝臓でのグルコース産生を阻害することにより、血糖値を低下させる。さらに、本剤は脂肪分解及び蛋白分解を阻害し、蛋白合成を促進する。
本剤は、主に分子サイズが大きいことによる腎クリアランスの低下、胎児性Fc受容体への結合に基づく本剤の分解抑制及び体循環への再利用並びにインスリン受容体に対する低い親和性によるクリアランスの低下により消失半減期が延長し、作用が持続する。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. インスリン エフシトラ アルファ(遺伝子組換え)

一般的名称 インスリン エフシトラ アルファ(遺伝子組換え)
一般的名称(欧名) Insulin Efsitora Alfa(Genetical Recombination)
分子量 約67,000
理化学知見その他 インスリン エフシトラ アルファは、遺伝子組換え融合糖タンパク質であり、1〜30番目はヒトインスリンB鎖、31〜37番目はリンカー、38〜58番目はヒトインスリンA鎖、59〜78番目はリンカー、また79〜299番目はヒトIgG2のFcドメインからなり、9個のアミノ酸残基が置換(Y16E、F25H、T27G、P28G、K29G、T30G、I47T、Y51D、N58G)され、FcドメインのC末端のLysは除去されている。インスリン エフシトラ アルファは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。インスリン エフシトラ アルファは、299個のアミノ酸残基からなるサブユニット2個から構成される糖タンパク質(分子量:約67,000)である。
KEGG DRUG D13028

20. 取扱い上の注意

20.1 凍結を避け、遮光して2〜8℃で保存すること。
20.2 使用開始後112日(16週間)以内に使用し、残った場合は廃棄すること。

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

3mL×1キット

23. 主要文献

  1. 社内資料:インスリン エフシトラ アルファの毒性試験
  2. 社内資料:インスリン エフシトラ アルファの薬物動態試験
  3. Herings RMC,et al., Lancet., 345 (8959), 1195-1198, (1995)
  4. Nasu R,et al., Diabetes Ther., 16, 513-526, (2025) »PubMed
  5. 社内資料:外国人健康成人における相対的及び絶対的バイオアベイラビリティを評価した試験
  6. Leohr J,et al., Diabetes Obes Metab., 28 (5), 4010-4018, (2026) »PubMed
  7. 社内資料:インスリン治療歴のない2型糖尿病患者における国際共同第III相試験(QWINT-2[I8H-MC-BDCX]試験)
  8. 社内資料:Basalインスリンで治療中の2型糖尿病患者を対象とした国際共同第III相試験(QWINT-3[I8H-MC-BDCU]試験)
  9. 社内資料:Basal-Bolus療法で治療中の2型糖尿病患者を対象とした海外第III相試験(QWINT-4[I8H-MC-BDCV]試験)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本イーライリリー株式会社 医薬情報問合せ窓口
〒651-0086 神戸市中央区磯上通5丁目1番28号
電話:0120-360-605(医療関係者向け)
URL:http://medical.lilly.com/jp
製品情報問い合わせ先
日本イーライリリー株式会社 医薬情報問合せ窓口
〒651-0086 神戸市中央区磯上通5丁目1番28号
電話:0120-360-605(医療関係者向け)
URL:http://medical.lilly.com/jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日本イーライリリー株式会社
神戸市中央区磯上通5丁目1番28号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/10/21 版