医療用医薬品 : モデーソ

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医薬品情報


総称名 モデーソ
一般名 ドルダビプロン塩酸塩
欧文一般名 (Dordaviprone Hydrochloride)
製剤名 ドルダビプロン塩酸塩カプセル
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤
薬効分類番号 4291
KEGG DRUG
D12734 ドルダビプロン塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
医薬品情報の概要は KEGG DRUG ページをご覧ください。

添付文書情報2026年9月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
モデーソカプセル125mg MODEYSO CAPSULES 125mg 大原薬品工業 42910J9M1023 劇薬, 処方箋医薬品

1. 警告

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

びまん性正中膠腫

5. 効能または効果に関連する注意

放射線治療歴のない患者における有効性及び安全性は確立していない。[17.1.1、17.1.2参照]

6. 用法及び用量

通常、成人にはドルダビプロンとして625mgを週1回空腹時に経口投与する。体重が10kg以上の小児にはドルダビプロンとして体重に応じて以下の投与量を週1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
小児の体重投与量(週1回)
10kg以上12.5kg未満125mg
12.5kg以上27.5kg未満250mg
27.5kg以上42.5kg未満375mg
42.5kg以上52.5kg未満500mg
52.5kg以上625mg

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤は食事の影響によりCmaxが低下するため、食事の2時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。[16.2.1参照]
7.3
成人患者及び体重52.5kg以上の小児患者において、中程度以上のCYP3A阻害剤と併用が避けられない場合には、下表を参照し、本剤の用量調節を行うこと。
表1 CYP3A阻害剤と併用する場合の用量調節
強いCYP3A阻害剤併用時中程度のCYP3A阻害剤併用時
375mg500mg
また、52.5kg未満の小児患者における本剤の用量調節は確立していないため、中程度以上のCYP3A阻害剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。併用が避けられない場合には、患者の状態等に応じて本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。[10.2、16.7.1、16.7.2参照]
7.4 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。[8.、9.1.1、11.1.2、17.3.1参照]
表2 休薬、減量及び中止基準
副作用程度*処置
QT間隔延長QTc間隔>500ms又はベースラインから>60msの延長QTc間隔が480ms以下又はベースラインに回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。
トルサード ド ポアント、多形性心室性頻脈、重篤又は生命を脅かす不整脈の徴候又は症状が認められた場合投与を中止する。
その他の副作用グレード3又は4グレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。
回復後、1段階減量して再開できる。
グレード4の再発投与を中止する。
表3 減量の目安
 通常投与量1段階減量2段階減量
体重10kg以上12.5kg未満の小児125mg投与中止投与中止
体重12.5kg以上27.5kg未満の小児250mg125mg投与中止
体重27.5kg以上42.5kg未満の小児375mg250mg125mg
体重42.5kg以上52.5kg未満の小児500mg375mg250mg
体重52.5kg以上の小児625mg500mg375mg
成人625mg500mg375mg

8. 重要な基本的注意

本剤の投与によりQT間隔延長があらわれるおそれがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に心電図及び電解質の検査を行う等、患者の状態を慎重に観察すること。[7.4、9.1.1、10.2、11.1.2、17.3.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者
QT間隔延長又はQT間隔延長の悪化等が起こるおそれがある。[7.4、8.、10.2、11.1.2、17.3.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害(eGFRが30mL/min未満)のある患者
患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類B又はC)のある患者
患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胚・胎児発生に関する試験(ラット)において、臨床曝露量(AUC)の約0.6倍に相当する用量で、胎児体重の低下、奇形等が認められている。[9.4.1、9.4.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの乳汁中への移行は不明である。

10. 相互作用

相互作用序文
本剤は、主にCYP3A4により代謝される。また、本剤はCYP3A及びP-gpに対する阻害作用を有する。[16.4参照]
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
薬物代謝酵素用語
CYP3A
薬物代謝酵素用語
P-gp
10.2 併用注意
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ボリコナゾール等
[7.3、16.7.1、16.7.2参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。
やむを得ず併用する場合には本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
弱いCYP3A阻害剤
アミオダロン、シメチジン、シロスタゾール等
[16.7.2参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。
やむを得ず併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
グレープフルーツ含有食品本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3A誘導剤
リファンピシン、フェニトイン、リファブチン、フェノバルビタール等
[16.7.2参照]
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の効果が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
キニジン、プロカインアミド、オンダンセトロン等
[8.、9.1.1、11.1.2、17.3.1参照]
QT間隔延長作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、他の薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を十分に観察すること。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム、トリアゾラム、シンバスタチン等
[16.7.2参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
P-gpの基質となる薬剤
ジゴキシン、ダビガトラン、フェキソフェナジン等
[16.7.2参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 過敏症(頻度不明)
アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがある。
11.1.2 QT間隔延長(0.5%)[7.4、8.、9.1.1、10.2、17.3.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 10%以上1%以上〜10%未満1%未満
感染症及び寄生虫症  膿疱性皮疹
血液及びリンパ系障害 貧血好中球減少症
代謝及び栄養障害 食欲減退、低リン血症、低マグネシウム血症、高血糖、高マグネシウム血症、低カリウム血症、低アルブミン血症、低ナトリウム血症高ナトリウム血症、高リン血症、高尿酸血症、低カルシウム血症
精神障害  錯乱状態、多幸気分、不眠症
神経系障害 頭痛、浮動性めまい、不全片麻痺、運動失調、構語障害錯感覚、認知障害、嗜眠、痙攣発作
眼障害  複視、霧視
心臓障害  頻脈
血管障害 高血圧 
呼吸器、胸郭及び縦隔障害  呼吸困難、肺塞栓症
胃腸障害悪心、嘔吐下痢、便秘腹痛、胃食道逆流性疾患、上腹部痛
皮膚及び皮下組織障害 斑状丘疹状皮疹脱毛症、光線過敏性反応、そう痒症、発疹、ざ瘡様皮膚炎
筋骨格系及び結合組織障害 筋力低下関節腫脹
一般・全身障害及び投与部位の状態疲労無力症歩行障害、倦怠感
臨床検査 リンパ球数減少、ALT増加、白血球数減少、好中球数減少、AST増加、血中LDH増加、血小板数減少、血中ALP増加、血中ビリルビン増加アミラーゼ増加、体重減少、γ-GTP増加
傷害、中毒及び処置合併症 転倒 

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与及び反復投与
健康成人15例に7日間以上の休薬期間を設け、本剤125、375及び625mg注1)を空腹時に単回経口投与したときのドルダビプロンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。検討された用量範囲において、線形性が認められた1)。(外国人データ)
図 血漿中ドルダビプロン濃度推移
表1 本剤125、375又は625mgを単回経口投与したときのドルダビプロンの薬物動態パラメータ
用量(mg)例数Cmax(ng/mL)tmax*(h)AUC0-last(ng・h/mL)t1/2(h)
12515829(36.6)0.75(0.50,1.50)2,909(41.5)10.3(31.6)
375152,501(37.6)0.75(0.50,2.50)10,498(33.5)9.96(26.2)
625153,830(29.7)0.75(0.50,2.00)17,354(32.3)9.93(26.2)
再発又は増悪した日本人神経膠腫患者9例に本剤375、500又は625mg注1)を空腹時に週1回反復経口投与したときの初回投与後のドルダビプロンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。週1回の反復投与により蓄積性は認められなかった2)。
表2 本剤375、500又は625mgを単回経口投与したときのドルダビプロンの薬物動態パラメータ
用量(mg)例数Cmax(ng/mL)tmax*(h)AUC0-last(ng・h/mL)t1/2(h)
37531,719±3331.90(1.85,2.08)11,832±5,3946.41±1.08
50033,356±2,3571.92(0.68,1.92)22,950±12,56722.2±3.99
62531,864±3922.03(1.92,2.15)17,787±7,60818.3±9.95
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人30例に本剤625mgを空腹時又は高脂肪食後に単回経口投与したとき、ドルダビプロンのCmax及びAUC0-lastの幾何平均値の比(高脂肪食後/空腹時)は、0.61及び1.00であった3)(外国人データ)。[7.2参照]
16.3 分布
母集団薬物動態解析の結果、本剤を成人患者に経口投与したときのドルダビプロンの見かけの分布容積[幾何平均値(変動係数%)]は、450L(40.1%)であった4)(外国人データ)。
ドルダビプロンのヒト血漿タンパク結合率は89.8〜94.0%であった5)(in vitro)。
16.4 代謝
ドルダビプロンは主にCYP3A4により代謝され、一部はCYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2D6及びCYP3A5により代謝される6)(in vitro)。[10.参照]
健康成人6例に14C標識したドルダビプロン625mgを単回経口投与したとき、投与72時間後までの血漿中において主に未変化体及びN-脱アルキル化体が検出された(血漿中総放射能のAUC0-lastに対する割合は32.8及び31.5%)7)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に14C標識したドルダビプロン625mgを単回経口投与したとき、投与168時間後までに投与放射能の67.1%(未変化体は3.76%以下)が尿中に排泄され、投与144時間後までに投与放射能の19.6%(未変化体は0.07%)が糞中に排泄された8)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
本剤375mg注1)を単回経口投与したとき、腎機能正常者8例に対する重度腎機能障害者(eGFR:30mL/min未満)8例のドルダビプロンのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比は1.13及び1.47であった9)(外国人データ)。[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害
本剤125mg注1)を単回経口投与したとき、肝機能正常者8例に対する中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類B)8例のドルダビプロンのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比は1.21及び1.55であった10)(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.6.3 小児
母集団薬物動態解析の結果から、小児の神経膠腫患者に本剤を承認用法・用量で投与したときの初回投与後のドルダビプロンの薬物動態パラメータは以下のとおりと推定された11)(外国人データ)。
表3 小児患者におけるドルダビプロンの薬物動態パラメータの推定値
用量(mg)体重区分例数Cmax(ng/mL)AUC0-168h(ng・h/mL)
12510kg以上12.5kg未満11,8007,810
25012.5kg以上27.5kg未満373,260±90919,500±8,120
37527.5kg以上42.5kg未満192,700±1,38022,100±21,100
50042.5kg以上52.5kg未満182,840±1,25023,600±8,350
62552.5kg以上252,830±1,04021,900±9,550
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人18例に強いCYP3A阻害剤であるイトラコナゾール200mgを1日1回8日間経口投与し、5日目に本剤125mg注1)を単回経口投与したとき、ドルダビプロンのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は1.93及び4.48であった12)(外国人データ)。[7.3、10.2参照]
16.7.2 生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーション
(1)エリスロマイシン、フルコナゾール
中程度のCYP3A阻害剤であるエリスロマイシン又はフルコナゾールが本剤625mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、ドルダビプロンのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、それぞれエリスロマイシン併用で1.51及び2.68、フルコナゾール併用で1.50及び2.48と推定された13)。[7.3、10.2参照]
(2)シメチジン
弱いCYP3A阻害剤であるシメチジンが本剤625mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、ドルダビプロンのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、1.28及び1.42と推定された13)。[10.2参照]
(3)リファンピシン、エファビレンツ
強いCYP3A誘導剤であるリファンピシン又は中程度のCYP3A誘導剤であるエファビレンツが本剤625mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、ドルダビプロンのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、それぞれリファンピシン併用で0.33及び0.17、エファビレンツ併用で0.57及び0.35と推定された13)。[10.2参照]
(4)ミダゾラム、ダビガトラン
本剤625mgをCYP3A基質であるミダゾラム又はP-gp基質であるダビガトランと併用投与したとき、単独投与時と比較して併用投与時にミダゾラム又はダビガトランの血中濃度が上昇する可能性が示唆された14)。[10.2参照]
16.7.3 その他
(1)健康成人16例にプロトンポンプ阻害剤であるラベプラゾール20mgを1日1回7日間経口投与し、7日目に本剤625mgを単回経口投与したとき、ドルダビプロンのCmax及びAUC0-lastの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は0.97及び1.02であった15)(外国人データ)。
(2)ドルダビプロンは、MATE1、OAT1及びOAT3を阻害した16)(in vitro)。
注1)成人に対する本剤の承認用法及び用量は625mgを週1回経口投与する。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第I/II相臨床試験(OP-10-001)(jRCT2080225115)
体重10kg以上の標準的治療歴がある注1)再発又は増悪したびまん性正中膠腫患者31例を対象とした第II相部分において、本剤注2)の有効性及び安全性を検討した。
主要評価項目であるRANO-LGG 基準注3)に基づく盲検独立中央判定委員会判定による奏効率[90%信頼区間]は0[0,10.5]%であった。[5.参照]
31例中10例(32.3%)に副作用が認められた。主な副作用は悪心4例(12.9%)であった17)。
注1)31例全例に放射線治療歴があった。
注2)体重10kg以上15kg未満の場合は125mg、体重15kg以上30kg未満の場合は250mg、体重30kg以上45kg未満の場合は375mg、体重45kg以上60kg未満の場合は500mg、体重60kg以上の場合は625mgを週1回経口投与することとされた。
注3)RANO:Response Assessment in Neuro-Oncology、RANO-LGG:RANO response criteria for low-grade glioma、RANO-HGG:RANO response criteria for high-grade glioma
17.1.2 海外臨床試験(ONC006、ONC013、ONC014、ONC016、ONC018)(NCT02525692、NCT03295396、NCT03416530、NCT05392374、NCT03134131)
海外第I相試験、第II相試験3試験(ONC006、ONC013、ONC014)及び拡大試験(ONC018)の各試験又はコンパッショネートユース(ONC016)に組み入れられた神経膠腫患者のうち、有効性併合解析を目的に設定した選択・除外基準注4)を満たす最初の50例を対象に、本剤注5)の有効性を評価した。
RANO-HGG基準注3)、RANO-LGG基準注3)及びRANO2.0基準注3)に基づく盲検独立中央判定委員会判定による奏効率[95%信頼区間]は、それぞれ20.0[10.0,33.7]%、26.0[14.6,40.3]%、28.0[16.2,42.5]%であった。
海外第I相試験、第II相試験3試験及び拡大試験1試験の各試験に組み入れられた患者のうち、選択・除外基準注4)を満たすびまん性正中膠腫患者において、RANO-HGG基準注3)又はRANO-LGG基準注3)に基づく治験担当医師判定により、ONC006試験では19例中3例(15.8%)、ONC013試験では51例中8例(15.7%)、ONC018試験において16例中4例(25.0%)に部分奏効(PR)が認められた18)。[5.参照]
注4)主な選択・除外基準は以下のとおりである。
<選択基準>
・2歳以上の患者
・H3 K27M変異を有することが確認されているびまん性神経膠腫患者
・病変が脳の正中発生の患者
・脳の造影磁気共鳴画像(MRI)において、RANO-HGG基準に基づく進行性かつ測定可能な病変が認められる患者
・放射線治療歴があり、放射線治療完了から90日以上が経過している患者
・ベースライン時のKarnofsky/Lansky performance scoreが60%以上の患者
・ベースライン時の磁気共鳴画像検査(MRI)の3日以上前から副腎皮質ステロイドの投与量が安定又は減量している患者
<除外基準>
・びまん性橋膠腫患者
・原発性脊髄腫瘍患者
・非定型かつ星細胞腫以外の組織像が認められる患者
注5)承認された用法及び用量と異なる用法及び用量によって本剤が投与された患者はONC006試験の1例(成人患者、625mgを3週間間隔で経口投与)のみであった。
安全性併合解析集団376例中191例(50.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労68例(18.1%)、悪心55例(14.6%)、嘔吐41例(10.9%)であった19)。
17.3 その他
17.3.1 QT間隔に対する影響
健康成人30例に本剤750mg注6)を単回経口投与したとき、QTcF間隔のベースラインからの変化量のプラセボ群との差(ΔΔQTcF)の90%信頼区間の上限値は、投与0.75〜8時間後で10msを超え、投与5時間後に最大(16.48ms)となった20)(外国人データ)。[7.4、8.、9.1.1、10.2、11.1.2参照]
注6)成人に対する本剤の承認用法及び用量は625mgを週1回経口投与である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ドルダビプロンは、caseinolytic protease P(ClpP)に結合し、ClpPを活性化することにより、ミトコンドリアの機能障害を引き起こすこと、ヒストンH3 K27のトリメチル化を増加させて腫瘍の増殖に関与する遺伝子発現を調節すること等により、アポトーシスを誘導し、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。なお、ドルダビプロンは、ドパミンD2受容体(DRD2)に対するアンタゴニスト作用も有しており、DRD2を阻害し、下流のシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示す可能性も報告されている21)。
18.2 抗腫瘍作用
18.2.1 in vitro
ドルダビプロンは、H3.1 K27M変異を有するヒト神経膠腫由来細胞株(CNHDMG-1088等)及びH3.3 K27M変異を有するヒト神経膠腫由来細胞株(HSJD-DIPG0007等)に対して、増殖抑制作用を示した22)。
18.2.2 in vivo
ドルダビプロンは、H3.3 K27M変異を有するヒト神経膠腫由来細胞株(SUDIPG-VI/Luc及びHSJD-DIPG-007)を脳幹に移植したインターロイキン2受容体γ鎖の完全欠損を有する非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した23)24)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ドルダビプロン塩酸塩

一般的名称 ドルダビプロン塩酸塩
一般的名称(欧名) (Dordaviprone Hydrochloride)
化学名 7-Benzyl-4-[(2-methylphenyl)methyl]-2,4,6,7,8,9-hexahydroimidazo[1,2-a]pyrido[3,4-e]pyrimidin-5(1H)-one dihydrochloride
分子式 C24H26N4O・2HCl
分子量 459.41
融点 約197℃
物理化学的性状 本品は白色の固体である。
本品はジメチルスルホキシドに溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
分配係数 (logP)3.09
KEGG DRUG D12734

20. 取扱い上の注意

開栓後は、湿気を避けて保管すること。

21. 承認条件

21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
21.2 びまん性正中膠腫患者を対象に実施中の国際共同第III相試験における本剤の有効性及び安全性について、試験成績が得られた際には速やかに医療現場に適切に情報提供すること。

22. 包装

(バラ)
1カプセル(プラスチックボトル、乾燥剤入り)
10カプセル(プラスチックボトル、乾燥剤入り)

23. 主要文献

  1. 社内資料:用量漸増試験(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.2.1、審査報告書)
  2. 社内資料:国内第I/II相試験(試験番号:OP-10-001)(2026年9月16日承認、CTD2.5.5.2.2、2.7.2.2.2.2.2、2.7.6.17、審査報告書)
  3. 社内資料:食事の影響(2026年9月16日承認、CTD2.7.6.4.3.3.3)
  4. 社内資料:分布(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.3.3)
  5. 社内資料:蛋白結合率(2026年9月16日承認、CTD2.6.4.4.1)
  6. 社内資料:推定代謝経路(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.1.3.2)
  7. 社内資料:マスバランス試験(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.2.1.2、審査報告書)
  8. 社内資料:海外第I相試験(2026年9月16日承認、審査報告書)
  9. 社内資料:腎機能障害患者の薬物動態(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.2.3.1)
  10. 社内資料:肝機能障害患者の薬物動態(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.2.3.2)
  11. 社内資料:母集団薬物動態解析(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.4、審査報告書)
  12. 社内資料:イトラコナゾール併用試験(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.2.1.3.1)
  13. 社内資料:CYP3A4阻害剤及びCYP3A4誘導剤の薬物動態への影響(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.6.1.1、審査報告書)
  14. 社内資料:CYP3A阻害作用及びP-gp基質との薬物動態学的相互作用(2026年9月16日承認、CTD2.6.4.5.1.5、審査報告書)
  15. PPIとの併用試験(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.2.1.3.2)
  16. 社内資料:トランスポーターとのin vitro相互作用(2026年9月16日承認、CTD2.6.4.4.4)
  17. 社内資料:国内臨床試験(2026年9月16日承認、CTD2.7.3.1.1.6、2.7.3.2.6)
  18. 社内資料:海外臨床試験(2026年9月16日承認、CTD2.7.3.3.3.4、審査報告書)
  19. 社内資料:副作用安全性解析集団(推奨用量)(2026年9月16日承認、CTD表2.7.4.7-2)
  20. 社内資料:QT/QTc評価試験(2026年9月16日承認、CTD2.7.2.2.2.1.4)
  21. 社内資料:薬理試験(2026年9月16日承認、CTD2.6.2.1、2.6.2.2.1.2.4、審査報告書)
  22. 社内資料:抗腫瘍作用と薬力学的(PD)作用(in vitro)(2026年9月16日承認、CTD2.6.2.2.2.1、審査報告書)
  23. 社内資料:抗腫瘍作用と薬力学的(PD)作用(in vivo)(2026年9月16日承認、CTD2.6.2.2.2.2、審査報告書)
  24. Jackson ER,Duchatel RJ,Staudt DE.et al., Cancer Res., 83 (14), 2421-2437, (2023)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
大原薬品工業株式会社 お客様相談室
〒104-6591 東京都中央区明石町8-1聖路加タワー36階
電話:0120-419-363
FAX:03-6740-7703
URL:https://www.ohara-ch.co.jp
製品情報問い合わせ先
大原薬品工業株式会社 お客様相談室
〒104-6591 東京都中央区明石町8-1聖路加タワー36階
電話:0120-419-363
FAX:03-6740-7703
URL:https://www.ohara-ch.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
大原薬品工業株式会社
滋賀県甲賀市甲賀町鳥居野121-15

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/10/21 版