医療用医薬品 : アイトロール

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医薬品情報


総称名 アイトロール
一般名 一硝酸イソソルビド
欧文一般名 Isosorbide Mononitrate
薬効分類名 狭心症治療用ISMN製剤
薬効分類番号 2171
ATCコード C01DA14
KEGG DRUG D00630 一硝酸イソソルビド
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG01270 硝酸イソソルビド
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2014年7月 改訂(使用上の注意の改訂) (第12版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アイトロール錠10mg Itorol tab.10mg トーアエイヨー 2171023F1023 10.1円/錠 処方箋医薬品
アイトロール錠20mg Itorol tab.20mg トーアエイヨー 2171023F2020 12.7円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。]

閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]

頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]

高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。「相互作用」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能・効果
効能・効果に関連する使用上の注意

本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。

用法・用量

通常、成人には一硝酸イソソルビドとして1回20mg1日2回を経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分な場合には1回40mg1日2回まで増量できる。
ただし、労作狭心症又は労作兼安静狭心症で発作回数及び運動耐容能の面で重症と判断された場合には1回40mg1日2回を経口投与できる。

使用上の注意

慎重投与

低血圧の患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。]

原発性肺高血圧症の患者[心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。]

肥大型閉塞性心筋症の患者[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。]

肝障害のある患者[副作用が発現しやすくなる。(「副作用」の項参照)]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。
また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。

過度の血圧低下が起こった場合には、本剤の投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。

起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。

本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。
また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

相互作用

併用禁忌

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意

下記の薬剤等との相互作用により、過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
アルコール摂取血圧低下等が増強されるおそれがある。血管拡張作用が増強される。
利尿剤血圧低下等が増強されるおそれがある。血圧低下作用を増強させる。
血管拡張剤
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
頭痛、血圧低下等の副作用が増強されるおそれがある。血管拡張作用が増強される。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までの調査症例562例中、報告された副作用は103例(18.3%)129件であった。主な副作用は、頭痛72件(12.8%)、頭重感4件(0.7%)、めまい4件(0.7%)、動悸4件(0.7%)等であった。また、主な臨床検査値の異常変動は、CK(CPK)上昇1.6%(3/185)、ALT(GPT)上昇1.3%(6/459)、AST(GOT)上昇0.9%(4/458)であった。

市販後の使用成績調査及び特別調査(長期使用成績調査)の症例3,687例中、報告された副作用(臨床検査値の異常変動含む)は280例(7.6%)368件であった。主な副作用は、頭痛140件(3.8%)、ALT(GPT)上昇23件(0.6%)、AST(GOT)上昇16件(0.4%)等であった。
なお、使用成績調査及び特別調査(長期使用成績調査)において、肝機能障害を有する患者の副作用発現率が肝機能正常者と比べて高かった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

肝機能障害、黄疸(頻度不明)

AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

発現頻度は承認時及び市販後調査(使用成績調査及び特別調査)の合計から算出した。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
循環器めまい・ふらつき、動悸血圧低下、浮腫、熱感 
精神神経系頭痛、頭重感、全身倦怠感不眠、しびれ 
過敏症注)発疹、そう痒感  
消化器腹痛、嘔気下痢、胃もたれ、腹部膨満感、鼓腸、口内乾燥、嘔吐食欲不振
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)、LDHの上昇等  
その他CK(CPK)、BUN、クレアチニンの上昇筋肉痛 
注)投与を中止すること。

発現頻度は承認時及び市販後調査(使用成績調査及び特別調査)の合計から算出した。

高齢者への投与

本剤は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に比べて肝臓での初回通過効果を受けにくいが、一般に高齢者では肝・腎機能が低下していることが多いので、頭痛等の副作用の発現がないことを確認しながら必要に応じて低用量(例えば1回10mg)より投与を開始し、増量するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット)で大量投与により、胎児及び出生児の体重増加抑制、出生児生存率の低下、発育・分化の遅延が報告されている。1)

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。2)

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

その他の注意

本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。
なお、類似化合物(ニトログリセリン)の経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。3)

類似化合物(硝酸イソソルビド)の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

狭心症患者を対象とした比較試験において、本剤はカルシウム拮抗剤(ニフェジピン)に比べ、必ずしも優る薬剤ではなく、硝酸イソソルビド持効錠と同等であると判断された。

薬物動態

単回投与

健康成人男子に一硝酸イソソルビドとして10、20及び40mgを経口投与したとき、血漿中濃度は投与後2時間でほぼCmaxに達し、T1/2は5〜6時間であった。なお、Cmax及びAUCは投与量に比例して増加した。4)

 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0→∞
(ng・hr/mL)
10mg157.2±29.71.8±0.75.5±0.51701±263
20mg373.3±29.31.7±0.45.0±0.33306±391
40mg709.7±107.31.5±0.46.0±0.26525±951

健康成人男子に一硝酸イソソルビドとして10、20及び40mgを経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値±S.D. n=6)

反復投与

健康成人男子に一硝酸イソソルビド20mgを12時間間隔で7回反復経口投与したときの最低血漿中濃度は、130〜150ng/mLの一定範囲内にあり、漸増する傾向は認められなかった。4)

臨床成績

国内延べ371施設で実施された臨床試験の結果、狭心症に対する改善率(中等度改善以上)は、60.0%(259/432)であった。
また、二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められている。5)

薬効薬理

血管拡張作用

一硝酸イソソルビドは、ウサギの摘出胸部大動脈及び腹部大静脈において用量依存的な血管弛緩作用を示し、血管組織内のcGMP含量を増加した。このような血管弛緩作用は静脈血管に対して高い選択性を有し、cGMP含量の増加も動脈より静脈において著明であった。6)

血行動態に対する作用

一硝酸イソソルビドは、麻酔イヌにおいて静脈血管の拡張作用に起因する静脈還流量の減少により心臓の前負荷を減少し、また、全末梢血管抵抗の減少により後負荷を減少した。更に、心筋収縮力に対して直接的な影響を与えず、冠血流量を用量依存的に増加した。7)8)

無麻酔イヌに一硝酸イソソルビドを経口投与した場合、用量依存的な脈圧減少作用を示し、生物学的利用率も高かった。血漿中一硝酸イソソルビド濃度と脈圧減少作用の間には正の相関がみられた。9)

本剤は狭心症患者の安静時の肺動脈楔入圧及び左室拡張末期容積を有意に減少させ、運動負荷試験中の肺動脈楔入圧及び左室拡張末期容積の増加を有意に抑制した。10)

虚血時の心電図及び運動耐容量に対する作用

一硝酸イソソルビドは、労作狭心症の病態モデルの1つと考えられているコレステロール餌負荷ウサギのhigh-pacingによるST下降を著明に抑制した。

本剤は労作狭心症患者のトレッドミル運動負荷試験において、運動耐容量を有意に延長(p<0.01)し、その作用は7時間以上持続した。また、血漿中一硝酸イソソルビド濃度と運動持続時間の増加との間には正の相関が示された。11)

作用機序

一硝酸イソソルビドは、冠血流の増加作用に加えて静脈還流量の減少による前負荷減少作用と全末梢血管抵抗の減少による後負荷減少作用が心筋酸素需給のアンバランスを改善して抗狭心症作用を発現すると考えられ、主にcGMPによって媒介される静脈血管の弛緩作用が重要であると考えられる。6)7)8)

有効成分に関する理化学的知見

一般名一硝酸イソソルビド
一般名(欧名)Isosorbide Mononitrate
化学名1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol 5-nitrate
分子式C6H9NO6
分子量191.14
融点88〜93℃
性状一硝酸イソソルビドは白色〜黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。一硝酸イソソルビドは水、酢酸(100)、メタノール、エタノール(95)、アセトン又は酢酸エチルに溶けやすく、ジエチルエーテル又はクロロホルムにやや溶けやすく、トルエンに溶けにくく、ヘキサンにほとんど溶けない。
KEGG DRUGD00630

包装

アイトロール錠10mg

100錠(PTP)

1,000錠(PTP、バラ)

アイトロール錠20mg

100錠(PTP)

1,000錠(PTP、バラ)

1,400錠(PTP(14錠×100))

主要文献


1. 桶谷米四郎ほか,  基礎と臨床,  20,  6911,  (1986)
2. 江角凱夫ほか,  応用薬理,  35,  71,  (1988)
3. Demots,H.et al.,  J.Am.Coll.Cardiol.,  13,  786,  (1989) »PubMed
4. 田原一二ほか,  臨床薬理,  15,  317,  (1984) »J-STAGE
5. 山田和生ほか,  Geriat.Med.,  23,  1421,  (1985)
6. 松岡 功ほか,  Eur.J.Pharmacol.,  118,  155,  (1985) »PubMed
7. 古城健太郎ほか,  日本薬理学雑誌,  85,  335,  (1985) »PubMed
8. 古城健太郎ほか,  日本薬理学雑誌,  86,  315,  (1985) »PubMed
9. 古城健太郎ほか,  Jpn.J.Pharmacol.,  44,  249,  (1987) »PubMed
10. 恒川 純ほか,  臨床薬理,  16,  427,  (1985) »J-STAGE
11. 外畑 巖ほか,  臨床薬理,  16,  631,  (1985) »J-STAGE

作業情報


改訂履歴

2013年2月 改訂
2014年7月 改訂(使用上の注意の改訂) (第12版)

文献請求先

トーアエイヨー株式会社
330-0834
さいたま市大宮区天沼町2-300
0120-387-999
048-648-1070

お問い合わせ先

トーアエイヨー株式会社
330-0834
さいたま市大宮区天沼町2-300
0120-387-999
048-648-1070

業態及び業者名等

製造販売
トーアエイヨー株式会社
福島県福島市飯坂町湯野字田中1番地

販売
アステラス製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/7/22 版