医療用医薬品 : フランドル |
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総称名 | フランドル |
一般名 | 硝酸イソソルビド |
欧文一般名 | Isosorbide Dinitrate |
製剤名 | 硝酸イソソルビド徐放錠 |
薬効分類名 | 虚血性心疾患治療剤<持効錠> |
薬効分類番号 | 2171 |
ATCコード | C01DA08 |
KEGG DRUG |
D00516
硝酸イソソルビド
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
KEGG DGROUP |
DG01270
硝酸イソソルビド
商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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フランドル錠20mg | Frandol tab. 20mg | トーアエイヨー | 2171011G1123 | 13.2円/錠 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。]
閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]
高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。「相互作用」の項参照]
本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
通常、成人に対し、1回1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)を1日2回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
本剤はかまずに服用すること。
慎重投与
低血圧の患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。]
原発性肺高血圧症の患者[心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。]
肥大型閉塞性心筋症の患者[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。]
肝障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがあるので、減量するなどして使用すること。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。
また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。
過度の血圧低下が起こった場合には、本剤の投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。
本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。
また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
相互作用
併用禁忌
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤 シルデナフィルクエン酸塩 (バイアグラ、レバチオ) バルデナフィル塩酸塩水和物 (レビトラ) タダラフィル (シアリス、アドシルカ、ザルティア) | 併用により、降圧作用を増強することがある。 | 本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。 |
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤 リオシグアト (アデムパス) | 併用により、降圧作用を増強することがある。 | 本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。 |
併用注意
アルコール摂取 | 血圧低下等が増強されるおそれがある。 | 血管拡張作用が増強される。 |
利尿剤 | 血圧低下等が増強されるおそれがある。 | 血圧低下作用を増強させる。 |
血管拡張剤 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤 | 頭痛、血圧低下等の副作用が増強されるおそれがある。 | 血管拡張作用が増強される。 |
副作用
副作用発現状況の概要
総症例10,098例中報告された副作用は463例(4.59%)延べ541件であった。主な副作用は、頭痛384件(3.80%)、めまい37件(0.37%)、悪心・嘔吐22件(0.22%)等であった(再審査終了時)。
その他の副作用
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
循環器 | めまい・ふらつき、熱感、潮紅、動悸 | 血圧低下、浮腫 | |
精神神経系 | 頭痛、頭重 | 耳鳴、全身倦怠感 | 脱力感、不快感 |
過敏症注) | 発疹 | ||
消化器 | 悪心・嘔吐、胃部不快感、上腹部痛 | 食欲不振 | |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等 |
高齢者への投与
本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
服用時
本剤をかみくだいて服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って頭痛が発生しやすくなるので、本剤はかまずに服用すること。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。
なお、類似化合物(ニトログリセリン)の経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。1)
硝酸イソソルビド製剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
健康成人男子に本剤1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)を経口投与したとき、血漿中硝酸イソソルビド濃度は投与後3時間でピーク(3.2±1.5ng/mL)に達し、以後漸次減少するが、投与12時間後においても日本薬局方・硝酸イソソルビド錠(5mg)経口投与2時間後の血漿中濃度に相当する値(0.9±0.1ng/mL)を示した。2)
健康成人男子にフランドル(20mg)又は日局・硝酸イソソルビド錠(5mg)を経口投与したときの血漿中硝酸イソソルビド濃度推移(平均値±S.E. n=6)
健康成人男子に本剤1錠を経口投与したとき、未変化体の硝酸イソソルビドは尿中にわずかに認められたにすぎず、代謝物であるisosorbide-5-mononitrate及びisosorbide-2-mononitrateが投与後72時間までの尿に投与量の約10%排泄され、その大部分はグルクロン酸抱合体であった。2)
本剤は狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)及びその他の虚血性心疾患に対してその有用性が確認されている。3)4)
疾患名 | 中等度改善以上 |
狭心症 | 67.4%(180/267) |
心筋梗塞(急性期を除く)注) | 72.2%(52/72) |
その他の虚血性心疾患 | 63.6%(7/11) |
また、狭心症に対する二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。5)
硝酸イソソルビドは主に末梢の容量血管を拡張して前負荷を減少させるとともに、冠動脈に対しては拡張作用と攣縮解除作用を有し、心筋酸素需給のアンバランスを改善することにより心機能の改善をもたらす。
運動耐容量の増加作用
本剤は労作狭心症患者の運動負荷試験において、投与7時間後にも投与前に比較して有意な運動耐容量の増加を示した。また、これは血漿中硝酸イソソルビド濃度の推移とよく対応した。6)
血行動態に及ぼす作用
広範心筋梗塞あるいは重症狭心症患者の左室拡張終期圧は、本剤の投与6時間後においても非投与群に比較して有意に低下した。
脈圧に及ぼす作用(無麻酔犬)
本剤の脈圧減少作用は、日本薬局方・硝酸イソソルビド錠に比較して持続性であり、投与10時間後においても有意な作用を示した。7)
一般名 | 硝酸イソソルビド |
一般名(欧名) | Isosorbide Dinitrate |
化学名 | 1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol dinitrate |
分子式 | C6H8N2O8 |
分子量 | 236.14 |
性状 | 硝酸イソソルビドは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。硝酸イソソルビドは急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。 |
KEGG DRUG | D00516 |
フランドル錠20mg
100錠(PTP)
1,000錠(PTP、バラ)
1,400錠(PTP(14錠×100))
1. | Demots,H.et al., J.Am.Coll.Cardiol., 13, 786, (1989) »PubMed »DOI |
2. | 加藤隆一ほか, 臨床薬理, 10, 509, (1979) »DOI |
3. | 池田正男ほか, Geriat.Med., 18, 1726, (1980) |
4. | 荒川規矩男ほか, 臨牀と研究, 58, 533, (1981) |
5. | 池田正男ほか, 心臓, 14, 615, (1982) »DOI |
6. | 斎藤宗靖ほか, 心臓, 12, 717, (1980) »DOI |
7. | 古城健太郎ほか, 日薬理誌, 76, 99, (1980) »PubMed |
改訂履歴 |
2009年12月 改訂 |
文献請求先 |
トーアエイヨー株式会社 |
お問い合わせ先 |
トーアエイヨー株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売 販売 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/3/24 版 |