医療用医薬品 : コルヒチン |
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総称名 | コルヒチン |
一般名 | コルヒチン |
欧文一般名 | Colchicine |
製剤名 | コルヒチン錠 |
薬効分類名 | 痛風・家族性地中海熱治療剤 |
薬効分類番号 | 3941 |
ATCコード | M04AC01 |
KEGG DRUG |
D00570
コルヒチン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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コルヒチン錠0.5mg「タカタ」 | COLCHICINE | 高田製薬 | 3941001F1077 | 6.8円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
肝臓又は腎臓に障害のある患者で、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤※又はP糖蛋白を阻害する薬剤※※を服用中の患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。](※、※※は「併用注意」の項参照)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性(家族性地中海熱の場合を除く)(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
痛風発作の緩解及び予防
通常、成人にはコルヒチンとして1日3〜4mgを6〜8回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
発病予防には通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5〜1mg、発作予感時には1回0.5mgを経口投与する。
家族性地中海熱
通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5mgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は1.5mgまでとする。
通常、小児にはコルヒチンとして1日0.01〜0.02mg/kgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は0.03mg/kgまでとし、かつ成人の1日最大投与量を超えないこととする。
痛風発作の発現後、服用開始が早いほど効果的である。
長期間にわたる痛風発作の予防的投与は、血液障害、生殖器障害、肝・腎障害、脱毛等重篤な副作用発現の可能性があり、有用性が少なくすすめられない。
投与量の増加に伴い、下痢等の胃腸障害の発現が増加するため、痛風発作の緩解には通常、成人にはコルヒチンとして1日1.8mgまでの投与にとどめることが望ましい。(「10.その他の注意」の項参照)
慎重投与
肝障害のある患者[重篤な副作用があらわれるおそれがある。投与する場合には、ごく少量から開始すること。]
腎障害のある患者[本剤の血漿中濃度が上昇し、早期に重篤な副作用があらわれるおそれがある。投与する場合には、ごく少量から開始すること。(【薬物動態】の項参照)]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
衰弱の著しい患者(特に腎疾患、胃腸疾患、心疾患を有する患者)[腎疾患、胃腸疾患、心疾患を悪化させるおそれがある。(【薬物動態】の項参照)]
重要な基本的注意
大量使用又は誤用による急性中毒症状として服用後数時間以内に次のような症状があらわれることがあるので、用法・用量を厳守し、次の(1)及び(2)の事項に注意すること。
悪心・嘔吐、腹部痛、激烈な下痢、咽頭部・胃・皮膚の灼熱感、血管障害、ショック、血尿、乏尿、著明な筋脱力、中枢神経系の上行性麻痺、譫妄、痙攣、呼吸抑制による死亡
痛風発作の治療には1回0.5mgを投与し、疼痛発作が緩解するまで3〜4時間ごとに投与し、1日量は1.8mgまでの投与にとどめることが望ましい。
発作3〜4時間前に先行する予兆を感知したらできるだけ早く服用することが望ましい。
血液障害、腎障害、肝障害、横紋筋融解症、ミオパチー、末梢神経障害等があらわれることがあるので、投与中はこれらの異常の有無を定期的な血液検査、生化学検査、尿検査等を施行して注意深く観察すること。
相互作用
相互作用序文
本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、P糖蛋白の基質でもある。
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
併用注意
肝代謝酵素CYP3A4を阻害する薬剤等 強く阻害する薬剤※ アタザナビル、 クラリスロマイシン、 インジナビル、 イトラコナゾール、 ネルフィナビル、 リトナビル、 サキナビル、 ダルナビル、 テリスロマイシン、 テラプレビル、 コビシスタットを含有する製剤 中等度阻害する薬剤 アンプレナビル、 アプレピタント、 ジルチアゼム、 エリスロマイシン、 フルコナゾール、 ホスアンプレナビル、 ベラパミル グレープフルーツジュース | 本剤の作用が増強することがある。併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること。なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者には肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤は投与しないこと。 | 肝代謝酵素CYP3A4を阻害することにより本剤の血中濃度を上昇させることがある。 |
P糖蛋白を阻害する薬剤※※ シクロスポリン | 本剤の作用が増強することがある。併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること。なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者には投与しないこと。 | P糖蛋白の活性を阻害することにより本剤の血中濃度を上昇させることがある。 |
副作用
副作用発現状況の概要
痛風発作の緩解及び予防
再評価結果における安全性評価対象例723例中、副作用は33例(4.6%)に認められた。
家族性地中海熱
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
再生不良性貧血、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少
これらの副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
横紋筋融解症、ミオパチー
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、このような場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、ミオパチーがあらわれることがあるので、筋肉痛、筋力低下、CK(CPK)上昇等があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
末梢神経障害
末梢神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
その他の副作用
頻度不明 | |
過敏症注1) | 全身のそう痒、発疹、発熱 |
消化器注2) | 下痢、悪心・嘔吐、腹痛、腹部疝痛 |
腎臓注1) | BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白陽性、血尿、乏尿 |
肝臓 | 肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇)、Al-P上昇 |
その他注1) | 脱力感、脱毛 |
高齢者への投与
高齢者を対象とした薬物動態試験で、高い血中濃度が持続する傾向が認められているので、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。(【薬物動態】の項参照)
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
ただし、家族性地中海熱に限り、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[マウスに単回腹腔内投与した試験において、最低投与量の4.9mg(体重60kgのヒトに換算した用量)相当から用量依存的な催奇形性(髄膜脳瘤、小眼、無眼等)が報告されている。1)妊娠中に本剤を服用した家族性地中海熱の患者において明確な催奇形性を示唆する報告はないが、ヒトでの使用経験は限られている。2)3)4)5)]
小児等への投与
痛風発作の緩解及び予防では、小児等に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
家族性地中海熱では、2歳未満の小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
過量投与
徴候、症状
悪心・嘔吐、腹部痛、激烈な下痢、咽頭部・胃・皮膚の灼熱感、血管障害、ショック、血尿、乏尿、著明な筋脱力、中枢神経系の上行性麻痺、譫妄、痙攣、呼吸抑制による死亡(「2.重要な基本的注意」の項参照)
処置
副作用発現までには3〜6時間の潜伏期があるので、服用後、間がないとき(6時間以内)には胃洗浄、吸引を行う。活性炭の投与も有効である。水・電解質異常の補正には中心静脈圧をモニターしながら輸液、カリウムの投与を行い、凝固因子の欠乏に対しては、ビタミンK、新鮮凍結血漿等の投与、急性呼吸不全には気道を確保し、酸素吸入を行う。その他出血、感染、疼痛等には対症療法を行う。
本剤は強制利尿や腹膜透析、血液透析では除去されない。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
血中濃度
健康成人8)(外国人によるデータ)
表1 薬物動態パラメータ(健康成人、単回経口投与)
投与量(mg) | n | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | AUC0-48(ng・hr/mL) |
1 | 6 | 5.64±1.37 | 1.01±0.56 | 47.9±12.2 |
高齢者
6例の健康成人男性と4例の高齢婦人に1mg単回経口投与時の血清中濃度(mean±S.D.)はそれぞれ5.5±1.4ng/mL、12±4ng/mLと高齢者で高い濃度を示し、また高齢者でピーク到達時間の延長傾向がみられた。9)(外国人によるデータ)
腎障害患者
4例の腎機能正常患者及び4例の腎機能障害患者(血液透析患者3例及びクレアチニンクリアランス15mL/min患者1例)に1mg単回経口投与したときの血漿中濃度半減期(mean±S.D.)はそれぞれ4.4±1.0hr、18.8±1.2hrであった。10)(外国人によるデータ)
肝障害患者
8例の肝障害を有する患者に1mg単回経口投与時のCmax(mean±S.D.)は3.60±1.04ng/mL、Tmax(mean±S.D.)は2.16±0.34hrであった。11)(外国人によるデータ)
分布
分布容積(Vd/F)4.87L/kg10)
1mg単回経口投与(外国人によるデータ)
代謝
消化管より吸収された後、一部は肝臓で脱アセチル化を受ける。大部分の未変化体と代謝物は腸肝循環する。
排泄
その他
作用機序
痛風発作時には局所に浸潤した白血球の尿酸貪食作用及び貪食好中球の脱顆粒が上昇している。コルヒチンは白血球、好中球の作用を阻止する。特に好中球の走化性因子(LTB4、IL-8)に対する反応性を著明に低下させることにより痛風の発作を抑制すると考えられる。
鎮痛、消炎作用はほとんど認められない。
尿酸代謝にはほとんど影響しない。
コルヒチン錠0.5mg「タカタ」
PTP包装
100錠(10錠×10)
1. | Ingalls,T.H.,et al., Arch.Environ.Health, 16, 326, (1968) »PubMed »DOI |
2. | Ben-Chetrit,E.,et al., Arthritis.Care Res., 62 (2), 143, (2010) »PubMed »DOI |
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7. | 吉田篤他, 眼科, 27 (11), 1359, (1985) |
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11. | Rudi,J.,et al., Scand.J.Gastroenterol., 29, 346, (1994) »PubMed »DOI |
12. | Amoura,Z.,et al., J.Rheumatol., 21, 383, (1994) »PubMed |
13. | Ben-Chetrit,E.,et al., Arthritis Rheum., 39 (7), 1213, (1996) »PubMed »DOI |
14. | Heaney,D.,et al., Am.J.Med.Sci., 271 (2), 233, (1976) »PubMed »DOI |
改訂履歴 |
2015年5月 改訂 |
文献請求先 |
高田製薬株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売(輸入) |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2023/01/25 版 |