医療用医薬品 : ジスロマック

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医薬品情報


総称名 ジスロマック
一般名 アジスロマイシン水和物
欧文一般名 Azithromycin Hydrate
製剤名 点滴静注用アジスロマイシン水和物
薬効分類名 15員環マクロライド系抗生物質製剤
薬効分類番号 6149
ATCコード J01FA10
KEGG DRUG D02134 アジスロマイシン水和物
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ジスロマック点滴静注用500mg ZITHROMAC Intravenous use ファイザー 6149400D1021 2435円/瓶 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

<適応菌種>

アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、クラミジア属、マイコプラズマ属

<適応症>

肺炎、骨盤内炎症性疾患

用法用量

成人にはアジスロマイシンとして500mg(力価)を1日1回、2時間かけて点滴静注する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

本剤の投与期間として5日間を超える投与経験は少ないことから、投与期間が5日を超える場合は、経過観察を十分行うこと。

臨床症状の改善など経口投与可能と医師が判断した場合は、アジスロマイシン錠に切り替えることができる。本剤からアジスロマイシン錠へ切り替え、総投与期間が10日を超える場合は、経過観察を十分行うこと[「臨床成績」の項参照]。

肺炎

本剤からアジスロマイシン錠に切り替えた臨床試験は、医師が経口投与可能と判断した時点で、本剤からアジスロマイシン250mg錠をアジスロマイシンとして500mg(力価)を1日1回投与に切り替え、本剤の投与期間は2〜5日間、総投与期間は合計7〜10日間で実施され、総投与期間として10日間を超える投与経験は少ない[「臨床成績」の項参照]。

骨盤内炎症性疾患

本剤からアジスロマイシン錠に切り替えた臨床試験は、医師が経口投与可能と判断した時点で、本剤からアジスロマイシン250mg錠をアジスロマイシンとして250mg(力価)を1日1回投与に切り替え、本剤の投与期間は1〜2日間、総投与期間は合計7日間で実施され、総投与期間として7日間を超える投与経験はない[「臨床成績」の項参照]。

使用上の注意

慎重投与

他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

高度な肝機能障害のある患者[肝機能を悪化させるおそれがあるので、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。]

心疾患のある患者[QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)をおこすことがある。]

重要な基本的注意

アナフィラキシー・ショックがあらわれるおそれがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので注意すること。また、本剤は組織内半減期が長いことから、上記副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。

本剤の使用にあたっては、事前に患者に対して、次の点を指導すること。

中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状[発疹に加え、粘膜(口唇、眼、外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状]があらわれた場合には、ただちに医師に連絡すること。

投与終了後においても上記症状があらわれることがあるので、症状があらわれた場合にはただちに医師に連絡すること。

意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。

本剤は組織内半減期が長いことから、投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので、観察を十分に行うなど注意すること。

相互作用

併用注意

ワルファリン国際標準化プロトロンビン比上昇の報告がある[1] [2]マクロライド系薬剤はワルファリンの肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、ワルファリンの作用が増強することがあるが、アジスロマイシンでの機序の詳細は明らかではない。
シクロスポリンシクロスポリンの最高血中濃度の上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある[3]マクロライド系薬剤はシクロスポリンの主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、シクロスポリンの血中濃度が上昇することがあるが、アジスロマイシンでの機序の詳細は明らかではない。
メシル酸ネルフィナビルアジスロマイシンの1200mg投与で、アジスロマイシンの濃度・時間曲線下面積(AUC)及び平均最高血中濃度の上昇の報告がある[4]機序不明
ジゴキシンアジスロマイシンとの併用により、ジゴキシン中毒の発現リスク上昇の報告がある[5]P-糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、ジゴキシンの血中濃度が上昇することを示唆した報告があるが、本剤での機序の詳細は明らかではない。

他のマクロライド系薬剤において、下記薬剤による相互作用が報告されている。
なお、アジスロマイシンのチトクロームP450による代謝は確認されていない。

テオフィリン、ミダゾラム、トリアゾラム、カルバマゼピン、フェニトイン[これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。]

エルゴタミン含有製剤[四肢の虚血をおこすことがある。]

他の抗菌剤との相互作用

アジスロマイシンと他の抗菌剤との相互作用に関しては、これまでの国内又は外国における臨床試験成績から、マクロライド系、ペニシリン系、キノロン系、テトラサイクリン系、セフェム系及びカルバペネム系抗菌剤との間で相互作用によると考えられる有害事象の報告はない。しかしながら、本剤の組織内濃度持続時間は長く、投与終了後も他の抗菌剤との間に相加作用又は相乗作用の可能性は否定できないので、本剤投与後に他の抗菌剤へ切り替える場合には観察を十分に行うなど注意すること。

副作用

副作用発現状況の概要

経口剤の承認時の臨床試験2805例(250mg錠2079例、カプセル130例、細粒596例)において、368例(13.12%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。
主な副作用又は臨床検査値異常は、下痢(3.28%)、好酸球数増加(2.67%)、ALT(GPT)増加(2.21%)、白血球数減少(1.60%)、AST(GOT)増加(1.43%)等であった。

市販後の使用成績調査3745例(250mg錠2419例、カプセル135例、細粒1191例)(再審査終了時)において、90例(2.40%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。
主な副作用又は臨床検査値異常は、下痢(0.91%)、嘔吐(0.40%)、ALT(GPT)増加(0.29%)、AST(GOT)増加(0.19%)、腹痛(0.19%)等であった。

本剤からアジスロマイシン錠に切り替えた(スイッチ療法)場合の承認時の臨床試験380例において、96例(25.26%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。
主な副作用又は臨床検査値異常は、下痢(9.21%)、注入部位疼痛(4.74%)、悪心(2.63%)、血栓性静脈炎(1.84%)、カンジダ症(1.32%)、腹痛(1.32%)、発疹(1.32%)等であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

ショック、アナフィラキシー

ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症

中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤の投与中または投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意すること。

薬剤性過敏症症候群[6]

初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全

肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

急性腎不全

急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

偽膜性大腸炎、出血性大腸炎

偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢、血便等があらわれた場合にはただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

間質性肺炎、好酸球性肺炎

発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)

QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること。

白血球減少、顆粒球減少、血小板減少

白血球減少、顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

横紋筋融解症

横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。

その他の副作用

 1%以上注1)0.1〜1%未満注1)0.1%未満注1)頻度不明注2)
皮膚注3) 発疹、蕁麻疹、そう痒症アトピー性皮膚炎増悪光線過敏性反応、紅斑、水疱、皮膚剥離、多形紅斑、寝汗、多汗症、皮膚乾燥、皮膚変色、脱毛
血液好酸球数増加白血球数減少血小板数増加、好塩基球数増加、顆粒球数減少、プロトロンビン時間延長、血小板数減少貧血、リンパ球数減少、ヘモグロビン減少、白血球数増加
血管障害 血栓性静脈炎 潮紅
循環器   血圧低下、動悸、血圧上昇
肝臓ALT(GPT)増加AST(GOT)増加、ALP増加、γ-GTP増加、LDH増加、肝機能検査異常血中ビリルビン増加 
腎臓  BUN増加、尿中蛋白陽性クレアチニン増加、腎臓痛、排尿困難、尿潜血陽性、頻尿
消化器下痢腹痛、悪心、嘔吐、腹部不快感、腹部膨満便秘、口内炎、消化不良、食欲不振、鼓腸放屁、口唇のあれ、黒毛舌、舌炎、舌苔、腹鳴舌変色、口・舌のしびれ感、おくび、胃炎、口内乾燥、唾液増加、膵炎、アフタ性口内炎、口腔内不快感、消化管障害、口唇炎
精神・神経系  頭痛、めまい、灼熱感、傾眠、味覚異常、感覚鈍麻、不眠症失神、痙攣、振戦、激越、嗅覚異常、無嗅覚、神経過敏、不安、錯感覚、攻撃性
感染症 カンジダ症胃腸炎真菌感染、咽頭炎、皮膚感染、肺炎、β溶血性レンサ球菌感染、膣炎
   結膜炎、眼瞼浮腫、霧視、ぶどう膜炎、眼痛、視力障害
筋骨格系   筋肉痛、関節痛、頚部痛、背部痛、四肢痛、関節腫脹
呼吸器  咳嗽、呼吸困難、嗄声鼻出血、アレルギー性鼻炎、くしゃみ、ラ音、気管障害、低音性連続性ラ音、鼻部障害、鼻閉、鼻漏、羊鳴性気管支音、痰貯留
   耳痛、難聴、耳鳴、聴力低下、耳の障害
生殖器  卵巣嚢腫精巣痛、不正子宮出血
代謝  血中カリウム減少、血中カリウム増加脱水、血中重炭酸塩減少、低カリウム血症
注入部位 疼痛血管外漏出、紅斑 
その他  発熱、口渇、気分不良、倦怠感、浮遊感胸痛、無力症、浮腫、低体温、不整脈、咽喉頭異物感、局所腫脹、粘膜異常感覚、疼痛、疲労
注1:250mg錠、カプセル、細粒の承認時の臨床試験と市販後の使用成績調査及び注射剤の承認時の臨床試験を合わせた発現頻度。注2:自発報告のため頻度不明。注3:このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

アジスロマイシン(経口投与)の臨床試験成績から、高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では、生理機能が低下しており、血中・組織内濃度が高くなることがあるので、患者の一般状態に注意して投与すること。なお、高度な肝機能障害を有する場合は、投与量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること[「慎重投与」の項参照]。
投与後に異常が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行うこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

ヒト母乳中に移行することが報告されている[7]ので、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

症状

アジスロマイシンの過量投与により聴力障害をおこす可能性がある。

処置

異常が認められた場合には投与を中止し、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行うこと。なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行うこと。

症状

外国臨床試験で総投与量が1.5gを超えた症例において、消化器症状の増加が認められている。

処置

これらの症状が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行うこと。

適用上の注意

投与経路

点滴静注にのみ使用すること[「用法・用量」の項参照]。

投与速度

本剤は、2時間かけて点滴静注すること。なお、急速静注(ボーラス)は行わないこと[「用法・用量」の項参照]。

調製時

本剤を注射用水4.8mLに溶解した液(濃度100mg/mL)を、5%ブドウ糖注射液等の配合変化がないことが確認されている輸液を用いて注射溶液濃度1.0mg/mLに希釈する。
100mg/mL溶液を調製の際には、注射用水以外での調製データはないことから、注射用水以外の溶液を使用しないこと。
国内第I相試験で、注射液濃度が2.0mg/mLの場合、注射部位疼痛の発現頻度が上昇したため、1.0mg/mLを超える投与は原則として行わないこと。また、外国第I相試験で注射液濃度が2.0mg/mLを超えた場合、注射部位疼痛及び注射部位反応の発現頻度が上昇するとの報告がある。
本剤の使用にあたっては、完全に溶解したことを確認すること。

本瓶は内容が減圧になっているので、容易に注射用水を注入することができる。万一、通常の操作で溶解液が入らない場合は、外気が入っている可能性があるので使用しないこと。

調製後の使用

溶解後速やかに使用すること。

その他の注意

ラットの受胎能及び一般生殖能試験(雄2ヵ月以上、雌2週間以上投与)で、20mg/kg投与の雄雌に受胎率の低下が認められた[8]

動物(ラット、イヌ)に20〜100mg/kgを1〜6ヵ月間反復投与した場合に様々な組織(眼球網膜、肝臓、肺臓、胆嚢、腎臓、脾臓、脈絡叢、末梢神経等)にリン脂質空胞形成がみられたが、投薬中止後消失することが確認されている[9][10][11][12][13][14]。なお、リン脂質空胞はアジスロマイシン−リン脂質複合体を形成することによる組織像と解釈され、その毒性学的意義は低い。

アジスロマイシンとの因果関係は不明だが、心悸亢進、間質性腎炎、肝壊死、運動亢進があらわれたとの報告がある。

薬物動態

組織内濃度

外国人データ

手術予定患者にアジスロマイシン500mg(力価)を経口投与した際の投与後12時間〜8日目の各種組織内濃度の検討では、いずれの組織においても、血清中濃度が消失後も数日にわたって高い組織内濃度が維持された[15](図1)。
なお、アジスロマイシンのヒトにおける全身クリアランス及び分布容積はそれぞれ10mL/min/kg及び33.3L/kgと報告されており[16]、分布容積が大きく、組織へ移行しやすいことが示されている。

図1 手術予定患者にアジスロマイシン500mg(力価)を経口投与後の血清及び組織内濃度

(組織内濃度:平均値±標準偏差,n=2〜35)

(血清中濃度:平均値,n=10)

<参考>

アジスロマイシンはヒト多形核白血球及びマウスマクロファージ等の食細胞への良好な移行が認められた[17]
アジスロマイシンが移行した食細胞が感染組織に遊走することにより、感染組織では非感染組織に比べて高い薬剤濃度が得られることが動物(マウス)試験で認められている[18]

血清中濃度[19]

健常成人男子各10例にアジスロマイシン500mgを、1mg/mLの濃度で3時間及び2時間かけて点滴静注し、単回及び1日1回、5日間反復投与したときの血清中濃度を図2に、単回投与後の薬物動態パラメータを表1に示す。5日間反復投与したとき、単回投与時と比較して、Cmaxは約8〜12%上昇、AUC0-24は約1.5〜1.6倍に増加した。

図2 単回及び反復投与後の血清中濃度推移

(血清中濃度:平均値+標準偏差,n=10)

表1 単回投与後の薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)

点滴時間nCmax(μg/mL)t1/2(h)AUC0-24(μg・h/mL)AUC0-∞(μg・h/mL)
3時間101.53±0.3665.2±14.9注) 6.88±1.2310.9±1.0注)
2時間101.99±0.3689.7±43.27.02±1.4113.2±3.0
注:n=9

血清蛋白結合率

アジスロマイシンのヒト血清蛋白との結合率は12.2〜20.3%(in vivo、超遠心法)であった[20]

代謝・排泄

健常成人男子6名にアジスロマイシン250mg錠を500mg(力価)単回経口投与した時、投与後168時間までの尿中に未変化体として投与量の9%が排泄された[21]
健常成人男子の尿及び患者の胆汁中代謝物について検討した結果、いずれもほとんどは未変化体で、代謝物として脱メチル体、脱クラジノース体が確認された[20]。アジスロマイシンは胆汁、消化管分泌を介して、未変化体としてほとんど糞中に排泄される。

<参考>

ラットに14C-標識アジスロマイシン20mg/kgを単回経口投与した時、投与後168時間までに投与量の80.3%が糞中に、13.3%が尿中に排泄され、また投与後72時間までに投与量の3.1%が呼気中に排泄された[7]

肝機能障害患者[22]

外国人データ

軽度及び中等度の肝機能障害患者(成人)16例にアジスロマイシン250mgカプセル注)を500mg(力価)単回経口投与した時、健常成人男子に比べて、Cmaxが増加し、t1/2が延長する傾向が認められたが、有意差は認められなかった。また尿中排泄率においても有意差は認められなかった。

注:アジスロマイシン250mgカプセルは国内未承認

腎機能障害患者[23][24]

腎機能障害患者(成人)17例にアジスロマイシン250mg錠を500mg(力価)単回経口投与した時、アジスロマイシンの体内動態は健常成人と有意差は認められなかった。

臨床成績

本剤からアジスロマイシン錠へ切り替えた(スイッチ療法)場合の成績

呼吸器感染症(肺炎)

呼吸器感染症(肺炎)を対象とした無作為化比較試験を含む国内臨床試験[25]73例及び外国臨床試験[26]137例の成績は以下のとおりである。なお、臨床試験では、本剤500mgを1日1回、2〜5日間点滴静注した後、アジスロマイシン250mg錠又はカプセルを500mg(力価)1日1回経口投与した。注射剤と経口剤の総投与期間は合計7〜10日間とした。注射剤から経口剤への切り替えは、被験者の状態で医師が判断した。

国内臨床試験

呼吸器感染症(肺炎)に対する非対照試験において、投与開始15日目の有効率は84.5%(60/71)であった。本試験で原因菌として分離同定された肺炎球菌はすべてアジスロマイシンに対する感受性は低かったが(MIC≧2μg/mL)、11例のうち10例が有効例であった。

肺炎球菌のアジスロマイシン感受性別、MIC別の臨床効果(投与開始15日目)

  n/Na)有効率(%)
感受性別:耐性(MIC≧2μg/mL)10/11(90.9)
MIC不明2/3(66.7)
MIC別:MIC=4μg/mL1/1(100)
MIC=8μg/mL0/1(0)
MIC=16μg/mL3/3(100)
MIC>64μg/mL6/6(100)
a):n=有効の例数、N=評価例数から判定不能を除いた例数有効率はn/N×100から算出した。

外国臨床試験

呼吸器感染症(肺炎)に対する無作為化比較試験において、投与終了10〜14日目における有効率は77.4%(106/137)であった。

骨盤内炎症性疾患

骨盤内炎症性疾患を対象とした国内臨床試験[27]51例(詳細診断名:肝周囲炎、骨盤腹膜炎、ダグラス窩膿瘍、子宮内感染、子宮付属器炎)の成績は以下のとおりである。

臨床試験では、本剤500mgを1日1回、1〜2日間点滴静注した後、アジスロマイシン250mg錠をアジスロマイシンとして250mg(力価)を1日1回経口投与した。注射剤と経口剤の総投与期間は合計7日間とした。注射剤から経口剤への切り替えは、被験者の状態で医師が判断した。

投与開始15日目の有効率は94.1%(48/51)であった。主な原因菌であるクラミジア・トラコマティス及び淋菌に対する臨床効果(有効率)及び細菌学的効果(菌消失率)は、それぞれ、100%(12/12、6/6及び11/11、6/6)であった。

薬効薬理

抗菌作用

In vitroにおいて、ブドウ球菌属、レンサ球菌属等のグラム陽性菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、淋菌、プレボテラ属等の一部グラム陰性菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、マイコプラズマ属、クラミジア属に抗菌作用を示し、その作用は他のマクロライド系抗生物質と同程度であった[28][29][30][31][32][36][37][38][39][40][41][42]

黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等の各種細菌を用いた感染症モデルにおいて、本剤の良好な組織移行性を反映し、従来のマクロライド系抗生物質よりも強い防御効果及び治療効果を示した[31][32][33][34][35]

黄色ブドウ球菌及びインフルエンザ菌に対して、1MIC以上の薬剤濃度で殺菌的な作用を示した[28]

作用機序

細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し、蛋白合成を阻害する[43]

有効成分に関する理化学的知見

一般名アジスロマイシン水和物
一般名(欧名)Azithromycin Hydrate
略号AZM
化学名(2R,3S,4S,5R,6R,8R,11R,12R,13S,14R)-5-(3,4,6-Trideoxy-3-dimethylamino-β-D-xylo-hexopyranosyloxy)-3-(2,6-dideoxy-3-C-methyl-3-O-methyl-α-L-ribo-hexopyranosyloxy)-10-aza-6,12,13-trihydroxy-2,4,6,8,10,11,13-heptamethylhexadecan-14-olide dihydrate
分子式C38H72N2O12・2H2O
分子量785.02
性状アジスロマイシン水和物は、白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
力価アジスロマイシン水和物の力価は、アジスロマイシン(C38H72N2O12:748.98)としての量を質量(力価)で示す。
KEGG DRUGD02134

包装

ジスロマック点滴静注用500mg

10バイアル

主要文献


1. Woldtvedt,B.R.et al.,  Ann Pharmacother,  32 (2),  269,  (1998) »PubMed
2. Lane,G.et al.,  Ann Pharmacother,  30 (7/8),  884,  (1996)
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5. Gomes,T.et al.,  Clin Pharmacol Ther,  86 (4),  383,  (2009) »PubMed
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9. 社内資料:ラット経口1ヵ月毒性試験
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11. 社内資料:ラット経口6ヵ月毒性試験
12. 社内資料:イヌ経口6ヵ月毒性試験
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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2018/7/18 版