17.1.1 20160275(CANDOR)試験(国際共同第III相臨床試験)
1〜3レジメンの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者466例(日本人患者31例を含む。)を対象に、カルフィルゾミブ(週2回投与)及びデキサメタゾンの併用療法(Cd療法)とCd療法に本剤を上乗せしたDCd療法を比較するランダム化非盲検群間比較試験を実施した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、DCd群では未到達、Cd群で15.8ヵ月(95%信頼区間:12.1〜推定不能)であり、DCd群で統計学的に有意な延長を示した[ハザード比0.630、95%信頼区間:0.464〜0.854、p=0.0014(層別log-rank検定)、2019年7月14日クリニカルカットオフ]。副次評価項目である全生存期間の中央値は、いずれの群も未到達であり、統計学的に有意な延長は認められていない[ハザード比0.745、95%信頼区間:0.491〜1.131、p=0.0836(層別log-rank検定)、2019年7月14日クリニカルカットオフ]。
7)無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線[20160275(CANDOR)試験]
DCd群:本剤+カルフィルゾミブ+デキサメタゾン、Cd群:カルフィルゾミブ+デキサメタゾン
注1)本剤の用法及び用量
28日間を1サイクルとし、1回16mg/kgを、1週間間隔(1〜8週目、初回のみ2日間に分割して8mg/kgずつ投与)、2週間間隔(9〜24週目)及び4週間間隔(25週目以降)で点滴静注した。
注2)カルフィルゾミブの用法及び用量(週2回投与)
28日間を1サイクルとし、1日1回、1、2、8、9、15、16日目に点滴静注した。投与量は、1サイクル目の1、2日目のみ20mg/m2(体表面積)、それ以降は56mg/m2(体表面積)で点滴静注した。
注3)デキサメタゾンの用法及び用量
28日間を1サイクルとし、20mgを1、2、8、9、15、16日目に、40mgを22日目に静脈内又は経口投与した。デキサメタゾンの投与日がカルフィルゾミブと同日の場合、カルフィルゾミブ投与の4時間〜30分前、本剤投与の1〜3時間前に投与した。
DCd群308例中198例(64.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、infusion reaction 127例(41.2%)、血小板減少症65例(21.1%)、貧血41例(13.3%)、上気道感染27例(8.8%)、肺炎26例(8.4%)、疲労23例(7.5%)であった。
17.1.2 MMY3008試験(海外第III相臨床試験)
造血幹細胞移植が適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者737例を対象に、レナリドミド及びデキサメタゾンの併用療法(Ld療法)とLd療法に本剤を上乗せしたDLd療法を比較するランダム化非盲検群間比較試験を実施した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、DLd群では未到達、Ld群で31.9ヵ月(95%信頼区間:28.9〜推定不能)であり、DLd群で統計学的に有意な延長を示した[ハザード比:0.56、95%信頼区間:0.43〜0.73、p<0.0001(層別Log-rank検定)、2018年9月24日クリニカルカットオフ]。
8)無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線[MMY3008試験]
DLd群:本剤+レナリドミド+デキサメタゾン、Ld群:レナリドミド+デキサメタゾン
注1)本剤の用法及び用量
28日間を1サイクルとし、1回16mg/kgを、1週間間隔(1〜8週目)、2週間間隔(9〜24週目)及び4週間間隔(25週目以降)で点滴静注した。
注2)レナリドミドの用法及び用量
28日間を1サイクルとし、CrCL>50mL/minの被験者には25mgを、CrCL30〜50mL/minの被験者には10mgを1日1回、21日間経口投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
注3)デキサメタゾンの用法及び用量
28日間を1サイクルとし、40mgを1、8、15及び22日目に静脈内又は経口投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
DLd群364例中308例(84.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、infusion reaction 203例(55.8%)、好中球減少96例(26.4%)、疲労70例(19.2%)、呼吸困難50例(13.7%)、貧血49例(13.5%)等であった。
17.1.3 MMY3007試験(国際共同第III相臨床試験)
造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者680例(日本人患者24例を含む)を対象に、ボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロン又はprednisone
※の併用療法(MPB療法)とMPB療法に本剤を上乗せしたDMPB療法を比較するランダム化非盲検群間比較試験を実施した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、DMPB群では未到達、MPB群で17.9ヵ月(95%信頼区間:16.1〜19.8)であり、DMPB群で統計学的に有意な延長を示した[ハザード比:0.51、95%信頼区間:0.39〜0.67、p<0.0001(層別Log-rank検定)、2017年6月12日クリニカルカットオフ]。副次評価項目である全生存期間の中央値は、いずれの群も未到達であり、DMPB群で統計学的に有意な延長を示した[ハザード比:0.63、95%信頼区間:0.47〜0.83、p=0.0009(非層別Log-rank検定)、(2019年6月24日クリニカルカットオフ)]。
3)無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線[MMY3007試験]
全生存期間のKaplan-Meier曲線[MMY3007試験]
DMPB群:本剤+ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン又はprednisone※、MPB群:ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン又はprednisone※
注1)本剤の用法及び用量
1〜9サイクルまでは42日間を1サイクル、10サイクル以降は28日間を1サイクルとし、1回16mg/kgを、1週間間隔(1〜6週目)、3週間間隔(7〜54週目)及び4週間間隔(55目以降)で点滴静注した。
注2)ボルテゾミブの用法及び用量
21日間を1サイクルとし、1.3mg/m2を第1〜2サイクルでは週2回(1、4、8及び11日目)、第3〜18サイクルでは週1回(1及び8日目)皮下投与又は静脈内投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
注3)メルファランの用法及び用量
42日間を1サイクルとし、9サイクルまで9mg/m2を1、2、3及び4日目に経口投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
注4)プレドニゾロン又はprednisone※の用法及び用量
42日間を1サイクルとし、9サイクルまで60mg/m2を1、2、3及び4日目に経口投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
※:国内未承認
DMPB群333例中193例(58.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、infusion reaction 103例(30.9%)、好中球減少71例(21.3%)、血小板減少63例(18.9%)、貧血28例(8.4%)、呼吸困難24例(7.2%)等であった。(2017年6月12日クリニカルカットオフ)
17.1.4 MMY3003試験(国際共同第III相臨床試験)
1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者569例(日本人患者36例を含む)を対象に、レナリドミド及びデキサメタゾンの併用療法(Ld療法)とLd療法に本剤を上乗せしたDLd療法を比較するランダム化非盲検群間比較試験を実施した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、DLd群では未到達、Ld群で18.4ヵ月(95%信頼区間:13.9〜推定不能)であり、DLd群で統計学的に有意な延長を示した[ハザード比:0.37、95%信頼区間:0.27〜0.52、p<0.0001(層別Log-rank検定)]。副次評価項目である全生存期間の中央値は、DLd群では未到達、Ld群で20.3ヵ月であり、統計学的に有意な延長は認められていない[ハザード比:0.64、95%信頼区間:0.40〜1.01、p=0.0534(非層別Log-rank検定)、2016年3月7日クリニカルカットオフ]。
4)無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線[MMY3003試験]
DLd群:本剤+レナリドミド+デキサメタゾン、Ld群:レナリドミド+デキサメタゾン
注1)本剤の用法及び用量
28日間を1サイクルとし、1回16mg/kgを、1週間間隔(1〜8週目)、2週間間隔(9〜24週目)及び4週間間隔(25週目以降)で点滴静注した。
注2)レナリドミドの用法及び用量
28日間を1サイクルとし、CrCL>60mL/minの被験者には25mgを、CrCL30〜60mL/minの被験者には10mgを1日1回、21日間経口投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
注3)デキサメタゾンの用法及び用量
28日間を1サイクルとし、40mgを1、8、15及び22日目に静脈内又は経口投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
注4)レナリドミドに対して治療抵抗性を示す又は忍容性が不良の患者は除外した。
DLd群283例中215例(76.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、infusion reaction 158例(55.8%)、好中球減少43例(15.2%)、上気道感染43例(15.2%)、疲労35例(12.4%)、咳嗽34例(12.0%)等であった。
17.1.5 MMY3004試験(海外第III相臨床試験)
1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者498例を対象に、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンの併用療法(Bd療法)とBd療法に本剤を上乗せしたDBd療法を比較するランダム化非盲検群間比較試験を実施した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、DBd群では未到達、Bd群で7.2ヵ月(95%信頼区間:6.2〜7.9)であり、DBd群で統計学的に有意な延長を示した[ハザード比:0.39、95%信頼区間:0.28〜0.53、p<0.0001(層別Log-rank検定)]。副次評価項目である全生存期間の中央値は、いずれの群も未到達であり、統計学的に有意な延長は認められていない[ハザード比:0.77、95%信頼区間:0.47〜1.26、p=0.2975(非層別Log-rank検定)、(2016年1月11日クリニカルカットオフ)]。
5)無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線[MMY3004試験]
DBd群:本剤+ボルテゾミブ+デキサメタゾン、Bd群:ボルテゾミブ+デキサメタゾン
注1)本剤の用法及び用量
1〜8サイクルまでは21日間を1サイクル、9サイクル以降は28日間を1サイクルとし、1回16mg/kgを、1週間間隔(1〜9週目)、3週間間隔(10〜24週目)及び4週間間隔(25週目以降)で点滴静注した。
注2)ボルテゾミブの用法及び用量
21日間を1サイクルとし、1.3mg/m2を週2回(1、4、8及び11日目)8サイクルまで静脈内投与又は皮下投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
注3)デキサメタゾンの用法及び用量
21日間を1サイクルとし、8サイクルまで20mgを1、2、4、5、8、9、11及び12日目に静脈内又は経口投与した。なお、症状に応じ適宜減量した。
注4)ボルテゾミブ、イキサゾミブ若しくはカルフィルゾミブに対して治療抵抗性を示す又はボルテゾミブに対し忍容性が不良の患者は除外した。
DBd群243例中182例(74.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、infusion reaction 120例(49.4%)、血小板減少73例(30.0%)、呼吸困難34例(14.0%)、咳嗽30例(12.3%)、疲労27例(11.1%)等であった。