通常、成人及び4歳以上の小児には、1日1回、セトメラノチドとして0.5mgから皮下投与を開始する。1週間毎に年齢及び体重に応じて0.5mg又は1.0mgずつ、以下に示す年齢及び体重に応じた1回用量まで漸増する。なお、患者の状態に応じて、以下に示す年齢及び体重に応じた1回用量を超えない範囲で適宜増減する。
| 年齢 | 体重 | 1回用量 |
| 6歳未満 | 20kg未満 | 1.5mg |
| 20kg以上25kg未満 | 2.0mg |
| 25kg以上30kg未満 | 2.5mg |
| 30kg以上 | 3.0mg |
| 6歳以上 | / | 3.0mg |
7.1 本剤は下表を参考に1週間ごとに漸増すること。なお、忍容性に応じて、増量間隔を延長することができる。
| 年齢 | 体重 | 1回用量(mg) [液量(mL)] |
| 1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週目 | 5週目 以降 |
| 6歳未満 | 20kg未満 | 0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] | 1.5 [0.15] |
| 20kg以上25kg未満 | 0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] | 1.5 [0.15] | 2.0 [0.2] |
| 25kg以上30kg未満 | 0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] | 1.5 [0.15] | 2.0 [0.2] | 2.5 [0.25] |
| 30kg以上 | 0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] | 2.0 [0.2] | 3.0 [0.3] |
| 6歳以上 | / | 0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] | 2.0 [0.2] | 3.0 [0.3] |
7.2 増量後の用量で忍容性が認められない場合は、増量前の用量に減量すること。減量後の用量で忍容性が認められる場合は、患者の状態に応じて再度漸増することを検討すること。
患者の状態に応じて0.25mgまで減量できるが、0.25mgで忍容性が認められない場合は投与を中止すること。
7.3 中等度(eGFR:30〜59mL/min/1.73m
2)又は高度(eGFR:15〜29mL/min/1.73m
2)腎機能障害を有する患者では、以下のとおり投与すること。
7.3.1 12歳以上の患者では、下表を参考に漸増すること。ただし、3週目以降は増量前の用量で忍容性が認められた場合に増量し、増量間隔は1週間以上とすること。[
9.2.1、
16.6.1参照]
1回用量(mg) [液量(mL)] |
| 1週〜2週目 | 3週目以降 |
0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] | 2.0 [0.2] | 2.5 [0.25] | 3.0 [0.3] |
7.3.2 6歳以上12歳未満の患者では、下表を参考に漸増すること。ただし、3週目以降は増量前の用量で忍容性が認められた場合に増量し、5週目以降の増量間隔は1週間以上とすること。[
9.2.1、
16.6.1参照]
1回用量(mg) [液量(mL)] |
| 1週〜2週目 | 3週〜4週目 | 5週目以降 |
0.25 [0.025] | 0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] | 2.0 [0.2] |
7.3.3 中等度又は高度腎機能障害を有する6歳未満の患者を対象とした臨床試験は行われていないことから、本剤投与の適否を慎重に検討すること。投与する場合は、患者の状態を十分に観察し、下表を参考に、患者の状態に応じて適宜増減すること。[
9.2.1、
16.6.1参照]
| 体重 | 1回用量(mg) [液量(mL)] |
| 1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週目 | 5週目 | 6週目 | 7週目以降 |
| 20kg未満 | 0.25 [0.025] |
| 20kg以上30kg未満 | 0.25 [0.025] | 0.5 [0.05] |
| 30kg以上40kg未満 | 0.25 [0.025] | 0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] |
| 40kg以上 | 0.25 [0.025] | 0.5 [0.05] | 1.0 [0.1] | 1.5 [0.15] |
8.1 本剤投与により、全身の皮膚色素沈着の増加やほくろの濃色化があらわれることがある。本剤の投与開始前及び投与中は定期的に全身の皮膚を観察すること。
8.2 本剤の臨床試験で自発陰茎勃起や勃起増強が報告されている。勃起が4時間以上持続する場合は、持続勃起症の可能性があるため、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。持続勃起症に対する処置が遅延すると、陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがある。[
11.1.1参照]
8.3 本剤の自己投与にあたっては、以下の点に留意すること。
・本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。
・自己投与を行う場合には、あらかじめ投与方法に関する十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性及びその対処法について患者又はその保護者が十分に理解し、患者自ら又はその保護者が確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。
・自己投与の適用後、本剤による副作用の発現が疑われる場合や、自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止し、速やかに医療機関へ連絡し、その後の自己投与の再開の可否については医師の判断に従うよう患者又はその保護者に指導すること。また、本剤投与後に異常が認められた場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう患者又はその保護者に指導を行うこと。
・使用済みの注射器を再使用しないよう患者又はその保護者に注意を促すとともに、安全な廃棄方法について十分に指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 バソプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)のある患者
本剤投与中は、血清ナトリウム値、体重、水分摂取量等を注意深く観察すること。必要に応じてバソプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)に対する治療薬の用量調節を行うこと。本剤による体重低下作用及び胃腸障害による水分摂取量の低下により、血中電解質が変動し、バソプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)の症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 副腎機能不全のある患者
本剤投与中は、急性副腎皮質機能不全に関連する症状・徴候の発現に注意し、急性副腎皮質機能不全が疑われる場合には、本剤の減量又は休薬を考慮するとともに、適切な糖質コルチコイド製剤による治療を行うこと。本剤投与による胃腸障害により、糖質コルチコイド製剤の経口投与が困難となる可能性があるため、必要に応じて非経口投与等の適切な対応を検討すること。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 中等度又は高度腎機能障害患者(eGFR:15〜59mL/min/1.73m2)
腎機能の程度及び年齢に応じて本剤の投与量を調節すること。本剤の曝露量が上昇するおそれがある。また、6歳未満の患者に対しては、本剤投与の適否を慎重に検討すること。[
7.3、
16.6.1参照]
9.2.2 末期腎不全患者(eGFR:15mL/min/1.73m2未満)
投与しないことが望ましい。本剤の曝露量が著しく上昇するおそれがある。また、末期腎不全患者を対象とした有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギでは、本剤の臨床用量における曝露量の0.76倍以上に相当する曝露量で母動物の摂餌量及び体重低値に伴う吸収胚数及び着床後胚損失率の高値、生存胎児数の低値、並びに胎児体重低値が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
4歳未満の小児患者を対象とした有効性及び安全性を評価した臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 持続勃起症(頻度不明)
メラノコルチン4型受容体(MC4R)活性化作用に基づく持続勃起症があらわれることがある。[
8.2参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 10%以上 | 1〜10%未満 | 0.1〜1%未満 |
| 皮膚および皮下組織障害 | 色素過剰症注1 | そう痒症 発疹 皮膚乾燥 皮膚病変 脱毛症 | 紅斑 皮膚線条 多汗症 後天性リポジストロフィー 蕁麻疹 皮膚剥脱 毛髪変色 爪変色 黒色表皮腫 |
| 一般・全身障害および投与部位の状態 | 注射部位反応注1 疲労 | 無力症 疼痛 | 温度変化不耐症 悪寒 |
| 胃腸障害 | 悪心 嘔吐 | 下痢 腹痛 口内乾燥 消化不良 便秘 胃食道逆流性疾患 鼓腸 | 腹部膨満 腹部不快感 流涎過多 |
| 肝胆道系障害 | | アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 | アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 血中ビリルビン増加 γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加 肝酵素上昇 血中アルカリホスファターゼ増加 |
| 神経系障害 | 頭痛 | 浮動性めまい | 傾眠 片頭痛 嗅覚錯誤 味覚不全 |
| 生殖系および乳房障害 | 自発陰茎勃起注2 勃起増強注2 | 外陰腟不快感注3 | 女性の性的興奮障害注3 生殖器痛 性器不快感 女性生殖器障害注3 性器知覚過敏 月経困難症注3 |
| 精神障害 | | うつ病 不眠症 性的興奮障害 リビドー亢進 | 睡眠障害 悪夢 リビドー減退 |
| 良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む) | メラノサイト性母斑 | | 異形成母斑 |
| 血液およびリンパ系障害 | | 好酸球増加症 | |
| 筋骨格系および結合組織障害 | | 関節痛 背部痛 筋肉痛 | 筋骨格痛 筋痙縮 四肢痛 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 |
| 呼吸器、胸郭および縦隔障害 | | | あくび 鼻漏 咳嗽 |
| 眼障害 | | | 強膜変色 |
| 血管障害 | | | ほてり |
| 耳および迷路障害 | | | 回転性めまい |
| 代謝および栄養障害 | | | 食欲障害 口渇 |
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 投与約15分前に冷蔵庫から取り出し、室温に戻すこと。
14.1.2 投与前に異物等がないことを目視により確認すること。濁りや異物が認められる場合は使用しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 注射部位は腹部、大腿部、上腕部とし、毎回注射箇所を変更すること。皮膚に異常がある部位(発赤、腫脹等)やほくろには注射しないこと。
14.2.2 注射ごとに新たなシリンジを用いること。
14.2.3 1つのバイアルを複数の患者に使用しないこと。
14.3 薬剤交付時の注意
患者又はその保護者に以下の内容を指導すること。
・患者が家庭で保存する場合は、冷蔵庫内(2〜8℃)で保存することが望ましいが、室温(30℃以下)で保存することもできる。室温で保存した場合には、使用期限を超えない範囲で30日以内に使用すること。
・開封後は、使用期限を超えない範囲で28日以内に使用し、使用後の残液は破棄すること。
・光の影響を防ぐために、バイアルは外箱に入れた状態で保存すること。
・凍結した場合又は30℃超で保存した場合は廃棄すること。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 ラットを用いた26週間反復投与毒性試験及びサルを用いた39週間反復投与毒性試験において、添加剤であるmPEG-2000-DSPE投与時に、脳脈絡叢上皮細胞の空胞化(ラット)及び脳脈絡叢での泡沫状マクロファージ集簇(サル)が認められた。これらの所見は、本剤の臨床用量(3.0mg/日)投与時の5〜60倍のmPEG-2000-DSPEを投与した際に認められた。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(jRCT2041230156)
4歳以上の後天性視床下部性肥満患者
注4142例(日本人12例)を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験において、本剤(94例、うち日本人8例)又はプラセボ(48例、うち日本人4例)を1日1回、最長60週間皮下投与した。本剤の開始用量は0.5mgとされ、最長8週間の用量漸増期において年齢及び体重に応じて1.5〜3.0mgを上限として忍容性に応じて漸増し、その後52週間(治療期)投与した。
注4 肥満に関する組入れ基準は、スクリーニング時のBMIが30kg/m2以上(18歳以上)又は年齢及び性別に基づく95パーセンタイル以上(18歳未満)
最初に登録された120例が治療期(52週間)の投与を完了又は治験薬投与開始後に試験を中止した時点でデータベースを固定し、当該120例(日本人0例)で構成されるPivotal Cohortを対象として有効性に関する主要解析を実施した。主要評価項目であるPivotal Cohortにおけるベースラインから治療期52週時までのBMI変化率の結果は以下のとおりであり、プラセボに対する本剤の優越性が示された
9)。
表1:ベースラインから治療期52週時までのBMI変化率(Pivotal Cohort:mITT集団)
| | プラセボ群(39例) | 本剤群(81例) |
| ベースラインのBMI(kg/m2) | 36.8±9.3(39) | 35.7±9.2(81) |
| 治療期52週時のBMI(kg/m2) | 38.0±10.1(37) | 28.6±7.4(73) |
| ベースラインから治療期52週時までのBMI変化率(%)a) | 3.3[−0.6,7.2] | −16.5[−19.3,−13.8] |
| プラセボ群との群間差(%)a)b) | −19.8[−24.6,−15.1] |
また、試験に組み入れられた全治験参加者142例(日本人12例を含む)で構成されるAll Patient Cohortにおけるベースラインから治療期52週時までのBMI変化率は以下のとおりであった
9)。
表2:ベースラインから治療期52週時までのBMI変化率(All Patient Cohort:mITT集団)
| | プラセボ群(48例) | 本剤群(94例) |
| ベースラインのBMI(kg/m2) | 36.4±8.8(48) | 36.0±9.2(94) |
| 治療期52週時のBMI(kg/m2) | 37.2±9.5(46) | 29.0±7.5(85) |
| ベースラインから治療期52週時までのBMI変化率(%)a) | 2.4[0.6,4.3] | −16.4[−19.3,−13.4] |
| プラセボ群との群間差(%)a) | −18.8[−22.3,−15.3] |
すべての治験参加者における副作用の発現割合は、本剤群で88.3%(83/94例)、プラセボ群で68.8%(33/48例)であった。本剤群の主な副作用は皮膚色素過剰54.3%(51/94例)、悪心50.0%(47/94例)、嘔吐29.8%(28/94例)、注射部位反応23.4%(22/94例)、頭痛18.1%(17/94例)、注射部位紅斑17.0%(16/94例)、注射部位そう痒感16.0%(15/94例)、メラノサイト性母斑13.8%(13/94例)、下痢12.8%(12/94例)、食欲減退、注射部位疼痛各11.7%(11/94例)であった
10)。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
26.1 製造販売元
リズムファーマ株式会社
東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティグランキューブ3階